国家資格の勉強方法 〜ノウハウ〜

課題&経験則

アラフィフになってから、将来を考えて異業種でも通じる技術スキルを身に付けていこうと思い、様々な資格を取得してきました。
最多取得記録は約10ヶ月で10資格。

当然、毎日のように勉強してきたのですが、ここでネックになった事が2点あります。

<ネックになった点>
①時間的な制約
②年齢の壁

まず、①時間的な制約ですが、学生の頃のように勉強に費やす時間を多く取れません。仕事もあるし、休日には家族サービスもしないといけない。会社の付き合いもある。よって、最短の時間で可能な限り効率よく勉強する必要があるのです。ここを一歩間違えばオーバーフローしてしまい、途中で嫌になり中途半端な状態で投げ出す、という事になってしまいます。

次に、②年齢の壁ですが、若い頃に比べると明らかに記憶力が低下していきます。これは実際に勉強している時に痛烈に感じました・・・。私はアラフィフですが、感覚的に半分以下になっているような気がします。私と同年代かそれ以上の方は、記憶するべき内容を極力少なくする、という工夫が必要となります。
逆に私より年齢の若い方は、今のうちにその記憶力を生かすべきです!

どのような資格でも、取得するまでそれなりの費用がかかります(テキスト代、受験料、etc)。一旦やると決めたからには諦めたくないし、お金をドブに捨てるような事はしたくない。ちなみに私の場合、自分のこずかいから費用を捻出していたので、その思いはなおさらでした。。。

社会人で資格勉強している方は、大半が私と似たような境遇にあるのではないでしょうか。そこで、自らの経験則をベースとして、効果的に資格勉強する手法やノウハウを何点か紹介していきたいと思います。


勉強方法

(1)ネット上で目標宣言

現実世界では、よほど特殊な状況でない限り、同じ資格を目指して一緒に勉強するなどという同士を見つける事はできません。大抵は孤独な戦いとなり、ちょっと気を許すと様々な誘惑に負けてしまいます。

そこで、まずはネット上で同じ資格を目指している仲間を見つけるのです。一番メジャーなのは某巨大掲示板ですが、それ以外にもツイッターやFaceBookでもいい。取り掛かりとしてアップされている体験談のようなブログを読むだけでもいいと思います。

同じ目標を目指している人達と情報を共有するというのは思った以上に効果があるし、やる気を倍増させてくれます。勉強に疲れたときのカンフル剤としてもかなりの威力を発揮するでしょう。
そして、ネット上で「今年の◯月中に、◯◯資格に合格する!」というような宣言をして、あえて自分を追い込みます。

少し高めの挑戦目標にする

ポイントは、少し高めの挑戦目標を設定する事。後戻りや挫折できない状況を作り出すのです。これは地味に効果があります。


(2)過去問中心トレーニング

学校の勉強では、まずテキストの内容を完璧に理解してからポイントをノートにまとめた上で演習問題をやって行く、という方法を教えられてきました。

しかし、こんな方法だと時間がいくらあっても足りません。

過去問ベースの勉強スタイル

テキストはさらっと斜め読みする程度にとどめて、あくまでも「過去問」をベースに勉強するのです。資格によっては過去問を公開していないものもありますが、その時はテキストの「問題集」でも構いません。

そして、最低でも3周します

1周目は、ほとんどの問題を間違えると思います。当然ですがそれでいいんです。

気をつける事は、間違えた問題について、テキストのどの部分に書いてあるかを確認してそこだけをピンポイントで覚えていく事。間違えそうな内容については、テキストに直接手書きで書き込んで、後から見直せるように付箋を貼っていく。絶対にノートに綺麗にまとめようとしてはいけません。ノートにまとめ出すと、いかに綺麗にまとめようかという事ばかり気になって、重要ポイントが頭に残らないからです。

そして、2周目、3周目と繰り返す事で、何が重要で、何を捨てていい内容なのか、体感的に分かってきます。

6〜7割の正解率でOK

3周繰り返した時に、6〜7割程度の正解率であれば良しとします。技術系資格の場合、ほとんどのものが合格点は6割となっていて、100%を目指す必要はないのです。


(3)◯△×方式

過去問(若しくは問題集)を繰り返しやっていく上で、一つ一つの問題について下記のようなマーキングをしていく事をお勧めします。

【問題集へのマーキング一例】
◯:完璧に理解した上で解けた。
△:自信なく解いた。偶然に正解。
×:全く分からなかった。

そして、2周目、3周目と繰り返す時に、△と×と印した問題を重点的に解いていくのです。全ての問題が◯となった時には、記憶が完全に定着しているという事。

イメージとしてこんな感じ。

△マークも取り入れる

おそらく、既に似たような手法を用いている方もいると思いますが、ここで留意して欲しいのが、単なる◯×だけではなく、△の要素も取り入れるという事。これがあるとないとでは勉強効率が全く変わってきます(経験談)。


(4)歩き勉強

机にずっと向かっていると集中力が続きません。特にハードな仕事をした後などは途中で眠くなってきます。

そこで私が取り入れたのが、歩きながら問題を解くという手法。外を歩くのは危険なので、家の中で問題集とペンを持って歩きながら解いていくのです。机の周辺をグルグル回るだけでも構いません。足を動かす事で頭も活性化されて、机に向かっている時よりも明らかに記憶の定着度合いが違ってくるし、眠くなる事もありません。

軽い運動をしながら問題を解く

さらに、近くにトレーニングジムがある人は、これを利用するとかなり効果的です。ジムに問題集を持ち込み、トレッドミルやサイクリングマシンをしながら問題を解くのです。10分間でこのページまで進もう、というような感じで。

周りからは変な目で見られるかもしれませんが、気にしてはいけません。体も鍛えられるし、時間的制約の中で記憶にも定着しやすいし一石二鳥です。


(5)入浴時間の有効活用

入浴している時、何をしていますか?
大抵の人は何も考えずにのんびり湯加減を楽しむという方が多いと思います。なかには防水TVや防水スマホを持ち込んでいる人もいるかもしれません。

私も今までのんびりする派でしたが、よく考えるとこの時間が勿体無い。そこである日、風呂場に問題集を持ち込んでみました。濡れないように上に掲げながら問題を解いていったのですが、これが非常に集中できる。お湯に浸かりながら問題を解いているという特殊な空間がそうさせるのかもしれません。のぼせてきたら半身浴にして問題を解くようにしました。長く湯に浸かる事で血行も良くなり頭のめぐりも良くなるのだと思われます。

風呂場にテキストや問題集を持ち込む

唯一の欠点は、持ち込んだ本は湯気でフニャフニャになる事ですが・・、まあ大した事ではありません。
例えばこんな感じ。

ちなみに、近視の方は「そもそも入浴中に本なんて読めない」と思うかもしれませんが、そんな時にオススメなのが「お風呂メガネ」。
私自身も購入しレビュー記事を書きました。興味のある方は参考にして下さい。勉強だけでなく読書にも最適ですよ。


(6)ボイスレコーダーに自分の声

どうしても覚えられない項目があった時、私はスマホのボイスレコーダーに自分の声で吹き込んで、スキマ時間にイヤホンで聞くようにしました。

最初は自分の声という事で妙な恥ずかしさがあったのですが、その分記憶に残りやすくなります。よく恥をかいた時の状況はなかなか忘れることが出来ないという体験をした人もいると思いますが、なんだか似たような効果があるように思います。

自分の声は覚えやすい

「何でこんな声をしてるんだ。もっと明確に喋れよ。」と自虐的に覚えていくようなイメージ。車通勤している人は、車のスピーカーで大音量で聞くのもいいかもしれません。


(7)youtube動画の活用

独学で勉強していて、理解できない(頭でイメージできない)科目があった時は、youtube動画を活用するようにしました。どのような資格でもプロ&素人問わず、かなりの数の動画数がアップされており情報には事欠きません。

不出来な動画ほど記憶に残る

これまでの経験上、不出来な動画(構成がイマイチ、ノイズあり、撮影が下手、etc)ほど、何故か頭に定着します。あえて、このような動画を選択して見まくっていきました。

まるで通販DVDのように計算され尽くされた完璧な動画では、なんだか眠くなってしまうのです。無理矢理勉強をさせられている雰囲気になってしまうかもしれません。

ただ、一単元まるまる理解できない場合は、完璧動画を見るのも一手です。但し、その場合はスキマ時間を利用して繰り返し見るようにして下さい。1回見ただけでは、「見た」という達成感だけで終わってしまい、すぐに忘れてしまうでしょう。

動画のダウンロードアプリをスマホに入れておけば、外出先でも通信パケットを気にする事なく何回でも見る事ができます。色々ありますが、お勧めアプリは「ClipBox」。知っている方もいるかもしれませんが、長年全国の人々に利用され続けている超優良アプリです。

(注意)
最近、この手の動画アプリは規制が厳しくなってきているので、ダウンロードできるうちに早目に手に入れておいたほうが良いかもしれません。


(8)塾講師役で一人芝居

百均でもいいので小さな白板を買って、目の前に生徒がいるような状態をイメージして、自分が勉強中の内容を説明するのです。エアー塾講師のような感じ。

ポイントが自分で把握できるようになる

人にものを教えるためには、分かりやすい言葉で説明しなければなりません。それにはどこまで自分で要点を理解しているかが焦点となります。妥協は許されません。

そうする事で、自分自身の理解度は2〜3倍となり頭に定着します(実体験)。

ただ、家族や妻子が居る人は気恥ずかしさもあるかもしれません。皆が寝静まった頃にやるか、朝早く起きてやるように工夫する事をお勧めします。

それも難しいようであれば、例えば家庭教師役を演じて、隣に生徒が座っている状態をイメージするのも一つの手です。

この勉強法に特化したブログ記事を下記に書きましたので、興味のある方は参考にして下さい。


(9)あえてテキストの誤植を見つける

資格の本は、大抵は毎年更新されていきます。そして「誤植」はつきものです。一切誤植のない完璧なテキスト&問題集など皆無です(経験上)。

大半の人は誤植があると、ネガティブに考えてしまうでしょう。

しかし、誤植を見つける事ができるというのは、その本を読み込んで内容を理解している証拠。

ちょっと発想を変えて、あえて誤植を見つけてやる!という意気込みを持てば、やる気も出てきます。

出版社と連絡を取り合う事で、誤植部分の知識は定着する

そして、誤植を見つけたら、その出版社と連絡を取り合って下さい。どの出版社もメールでやり取りができ、また必ず回答してくれます。

このやり取りを行う事で、その誤植部分の知識は確実に定着します。経験上、断言します。
決して、Amazonや楽天の評価欄に「誤植あり」などと書き込むだけで終わらせないで下さい。非常に勿体無いですよ。

誤植はチャンスです。


(10)身体に書く

どうしても覚えられない項目があった時、よく紙に書いて「壁」や「トイレ」に貼ったりする事が推奨されています。しかし、実体験上、これはあまり効果がありませんでした。

貼った後、1〜2日は確かに見て覚えようとします。しかし何日かすると「そこにあるのが当たり前」になってしまって、ほぼ見なくなります。そして、貼ってあるという事実に満足してしまい、逆に覚えようとしなくなってしまいます。

おそらく、似たような経験をされている方が多いのではないでしょうか?

それよりも、もっと効果のある方法はペンで身体に直接書き込むのです。

常に目に入る身体の部分にペンで書く

私は手の平や腕に書きました。そして「覚えるまで消してはいけない」という目標を自分に課したのです。これは潔癖症な人ほど効果があります。

早く消したいがために、スキマ時間に何度も見ます。風呂でも見る事ができます。寝る前や朝起きた時も目に入ります。もう、嫌でも頭に残っていきますよ。なお、書く場所は手の平だけでなく、腕や足でもいいと思います。目につく箇所ならどこでもOK。

あと、身体の限られたスペースに書こうとする事で、何とか要約しようとするので、上手くいけばその時点で記憶に定着します。

ポイントを要約して書く必要があるので記憶に残りやすい

ちなみに・・・、あまり真似しないで欲しいのですが、私は油性ペンを使いました。滅多な事では落ちてくれません。それだけの覚悟を持って書き込みました。

一般の方はボールペンなどで充分でしょう。

但し、試験前には必ず落として下さいね。カンニング行為と疑われますので・・・。


(11)近所の大学の食堂で勉強

普段勉強する際、自宅だけでなく、喫茶店や図書館などを利用される方も多いと思います。普段と違う環境で勉強すると集中力も高まるので、非常にいい選択肢だと思います。

そんな中、個人的にオススメなのが大学の食堂で勉強する事。

一般的に大学の「食堂」は、一般人でも利用できるよう解放しています(図書館はセキュリティー上無理)。

では、なぜこの場所がいいのか?

それは、大抵の学生は食事を終えた後、かなりの確率でテキストやパソコンを出して自主勉強に入るからです。

勉強に専念しやすい環境がある

大学という場所、そして周りの学生の熱気溢れる勉強している雰囲気が不思議とやる気にさせてくれます。

平日は大体、どの大学も〜19時頃まで営業している所が多く、また土曜に利用できる所もあります。近くに大学がある方は、仕事終わりや土曜の休日に立ち寄ってみてはどうでしょうか?


(12)書店で理解度チェック

ある程度勉強が進んできて、大まかなポイントが頭に入ったら、本屋に立ち寄って自分が持っているテキスト&問題集とは違う本を立ち読みしてみましょう。

他の本を見る事で、違う観点からポイントを吸収できる

なお、注意して欲しいのが、勉強せずに知識のない状態で行う事は推奨しません。これは時間のムダ。

大まかな知識を蓄えた状態で、自分が学習しているものとは違う本を読むと、立ち読み程度でもガンガン頭に入ってきます。様々な方向から重要ポイントが頭に構築されていくイメージ。これはなかなかの快感ですよ。

ただ、本屋の迷惑になるのであまり長居はしないで下さいね。1冊あたり5分以内に留めた方がいいし、それだけで充分です。ポイントが頭に入っていれば、斜め読みできます。


(13)1時間に1回は立ち上がる

これは勉強法というよりは、リフレッシュ方法ですね。(4)で記載した内容とも若干被りますが、机に座って勉強がはかどってくると、時間の感覚を忘れて身体の体制をそのままにしてしまいます。人によっては2〜3時間ずっと机の前に座り続けるという方もいるでしょう。

こうなると次第に疲労が蓄積されていき、自分では気づかないうちに勉強効率が落ちてきます。

立ち上がるだけで頭の疲労がリセットできる

医学的に証明されているかどうかは分かりません。ただ、経験則として1時間に1回、2〜3分間ほど立つだけで、一気にリフレッシュできました。

イメージとして、立ち上がった2〜3分間に1時間勉強した内容をざっと見返して復習していくという感じです。勉強にリズムもでてきます。

(4)で紹介したように、歩いたり運動しながら勉強する事が困難な方は、これだけでも効果が実感できますよ。


(14)通勤or通学時間の活用

通勤or通学に電車やバスを使われている方も多いと思います。
そして、ほとんどの方は満員電車の中で揺られながらスマホでSNSをしたり、音楽を聴いたり、ゲームに没頭していると思われます。

そんな中、あらゆる誘惑を断ち切って、テキストを開いて勉強する習慣をつける事が出来れば、素晴らしい学習環境に切り替わります。

私は、30分ほど電車通勤をしていますが、何らかの資格勉強をしている時は、つり革につかまりながら暗記項目を復習しています。


最初はかなり抵抗がありました。


しかし、ある状況を作り上げる事で、自宅で机に向かっている時よりも2〜3倍は集中できるようになってきたのです。

暗記しようとしている内容をあえて声に出してみる

満員電車やバスの中でずっと立ったままというのは劣悪な環境です。
周りに大勢の人がいて逃げ場のない状況。

そんな中、暗記しようとしている内容を少し声に出してみてください。
小声で構いません。
(明らかに迷惑がかかる大声はダメですよ)

周りにいる人は、おそらく怪訝な顔であなたを見る事でしょう。変な人がいると強烈な視線を浴びるかもしれません。

しかし、そういう状況を作りあげることが出来ればしめたものです。

蔑んだ視線が快感に変わり、逃げ場のない状況の中で記憶効率が格段に向上します。

人間のどのような心理が働いているのか分かりませんが、私の知り合いの何人かに試してもらったところ、同様の効果を得る事ができたようです。

興味のある方は一度試して見てください。
もし、この手法が自分に合っていれば、あなたの勉強ライフは劇的に変化する事でしょう。


(15)手軽なリフレッシュ方法を見つける

何時間も連続して勉強するのには限界があります。理想的には「1時間集中〜休憩〜1時間集中」というサイクルがいいと思うのですが、この「休憩」をどのように過ごすかによって勉強効率が変わってきます。

私は勉強で疲れた頭をリフレッシュさせる為に「将棋」を取り入れました。

将棋はいい具合に脳が活性化する

これには様々な意見があると思いますが、私はそのように感じました。脳が一旦リセットされて、違う方向性の「ほどよい刺激」で活性化されるイメージ。

特にネット対戦であれば自由な時間に参加できるし、対局時間設定もできます。1日の対局数も2〜3局までと自分の中でルールを作っておけば、短時間でサッと切り上げる事も可能です。

なお、これは将棋に限らず、オセロやチェス、カードゲームでも良く、各個人のお手軽さ度合いに合わせて選択すればいいかと思います。

ちなみに、私はこの方法で将棋をやる機会も増えてきて、「初段」も取得できてしまいました。まさに一石二鳥。

この時の様子は、下記の記事にもまとめているので是非参考にして下さい。


あと、思いっきりリフレッシュしたい時は、動画配信サービスを使うのも一つの手です。
『hulu』や『U-NEXT』など多くの人気サービス(VOD)の特徴を分かりやすくまとめてみました。

無料視聴期間もあるので、じっくりと自分に合うものを選ぶ事ができますよ。


他用途への活用

以上の手法は、国家資格勉強をする上で自らの経験則を元に編み出した手法ですが、これらは他の用途にも活用できると思います。

英語の勉強や受験勉強、また、新入社員の方や転職したての方が入社後に課せられた業務を資料を通して覚える際にも有効になるでしょう。


取得済み資格一覧

これまで私が取得してきた資格を一覧表にまとめて、それぞれ個別の情報をリンクさせています。「おすすめテキスト」「試験概要」「難易度」「費用」「免許申請方法」etc。

同様の資格を目指している方は参考にして下さい。


国家資格免許証の現物紹介

様々な国家資格免許証(主に技術系)の「形状」や「サイズ」、及び「表記内容」がどうなっているのか、下記の記事にまとめました。
同じ資格を目指している方がいれば参考にして下さい。
現物の免許証を見る事で手にした時の具体的なイメージが湧き、多少なりともモチベーションが上がると思います。