消防設備士甲種4類に独学で一発合格する方法

甲種4類とは

ふたば亭プラスです。

現在、街中の多くの施設には、消防法によって消防設備の設置が義務付けられており、また定期的にその整備や点検を行う必要がある為、有資格者の需要はかなり高くなってきています。

近年、就職や転職、若しくは消防設備関連の昇給や昇進の為に取得を目指す人が急増。

特に最近は「ビルメン4点セット」のプラスアルファの資格として、この資格が注目されています。

この消防設備士の資格は、対象となる設備の種類によって、下記のように大きく7つのグループに分かれています。

◆甲種:工事、整備、点検が可能
◆乙種:整備、点検のみ可能


今回、紹介する消防設備士甲4(甲種4類)とは、上記に記載したように「自動火災報知器設備」、「ガス漏れ火災警報設備」などの工事と整備と点検を行う事ができる資格です。

但し、甲種を受験するには受験資格が必要。
受験資格

様々な条件がありますが、最もメジャーなものは「電気工事士の免許取得」でしょう。
私自身も甲種4類を受験するに当たり、第二種電気工事士の免許を取得しました。

『甲種4類』と『電気工事士』は相性バツグン!

甲種4類は消防設備士の資格の中でも電気系がベースとなっている資格で、例えば自動火災報知設備の調子が悪いときは工事&修理できてしまいます。

また、この資格を持っていれば、ビルメンテナンス業界だけでなく、消防設備業社でも活かす事ができ、仕事の幅が大きく広がります。

実際に設備技術系の直近の求人数を調べたところ、トップの「第二種電気工事士」に次いで「消防設備士」が2位でした。

詳細は下記記事を参照願います。

甲種4類を目指すなら、これが王道の受験パターンでしょうね。

①電気工事士 受験

②免許申請

③免許取得

④消防甲種4類 受験

ここで注意して欲しいのは、第二種電気工事士に合格しただけでは受験資格は得られない事。実際の免許の取得が必要なのです。

なお、もし第二種電気工事士免許を持っていなければ、受験資格が必要ない「乙種4類」を受ける事も可能です。

私は消防設備士の試験を受ける際、第二種電気工事士の免許がなかった為、まずは「乙種4類」からトライしました。

詳細は下記の記事を参照願います。


難易度と合格率

【難易度】★★★★★☆☆☆☆☆
【試験日程】都道府県ごとに不定期実施
【受験者数】約1万7千人〜1万9千人/年
【合格率】30%〜35%

「受験者数と合格率」の年度ごとの詳細データについては下記の記事にまとめたので参考にして下さい。


申し込み

【受験費用】5,700円

【申請先】一般財団法人 消防試験研究センター

なお、電気工事士の免許を持っていると、筆記試験のうち「消防関係法令」を除き、「基礎的知識 」及び「構造・機能及び工事・整備」のそれぞれの科目中における「電気に関する部分」が免除になります。更に、実技試験において、鑑別等試験の問1が免除になります。

試験科目及び問題数

しかし

この科目免除は使わない方がいい。はっきり言って罠です。

なぜなら、免除される部分が「加点扱い」される訳ではなく、要は単純に問題数が減ってしまうので、1問1問のウエイトが重くなるだけ。しかも合格ラインの6割は変わらないのです。

電気工事士の免許を持っているのであれば、電気関係の問題は得意なはず。

それであれば、得意な部分も問題に加えて、6割以上の正解率を目指す底上げをした方がいいでしょう。消防設備士を受験する方のブログも色々と参考にさせてもらいましたが、ほぼ9割の方が科目免除なしで受験しています。

このような実態では何のための免除制度か良く分かりませんが・・・。

という事で、私は免除なしでフル科目で甲種4類を受験をする事にしました。


勉強方法

基本は乙4受験の時に頭に叩き込んでおいたので、今回は「製図」をメインに勉強する事にしました。テキストは、乙4でもお世話になった、工藤先生の本を迷わず購入。ネットでも評判がいいようです。

【製図編】


ちなみに、乙4の時に使ったテキストと問題集はこれです。

【筆記+鑑別編】

【問題集】

この3冊で十分合格圏内に達しますが、それでも不安な方は下記テキストもオススメ。

暗記する範囲は膨大

これまで様々な設備関連の技術資格試験を受けてきましたが、『規格数字』をひたすら覚える量としてはこれがトップです。報知器を設置する上での建物の面積&距離基準や規格などを山ほど覚えなければなりません。

しかし、助かったのはこの工藤本のゴロ合わせ

漫画チックなイラストと共に非常に多くのゴロ合わせが掲載されており、一度見たら頭にこびり付きます。

初見では、あまりにも変化球的なゴロ合わせに「なんじゃこりゃ?」状態なのですが、不思議と記憶の中枢に居座ってくれるのです。そういう部分も計算されているとしたら、この人の言葉のセンスは相当なものだと思われます。

私は試験後、半年経った後でも頭に残っていました。

例えばこういうゴロ合わせ。この本の中で最もメジャーなものです。

【ゴロ合わせ一例】
試やい後(試合後)、手けってさ、ホーと、さけんだっけ

初見では、何がなんやら分からない世界観ですが、これは「感知器の設置限界高さ」を覚えるためのもので、この一文だけで9種類」の感知器の取り付け面の高さの限界値「4パターン」について一気に覚える事ができます。

気になる方は、購入前に本屋でチラッと見てみましょう。


あと、もう一つ勉強する上でのアドバイス。

鑑別の写真を一番最初に目を通す。

いきなり、原理&構造から入っていってもなかなかイメージが掴めません。最初に鑑別の写真を頭に入れておくとすんなりと理解できるし、記憶に定着しやすくなります。

また、Youtubeの動画を見るのも効果があります。消防設備に関わった事がない場合、火災表示試験の様子など、なかなか現物を見る機会がありません。

お勧めなのは、NBS(エヌビーエスエンジニアリング株式会社)が公開している下記動画。

これ以外にも何パターンかあるので、視覚的に理解する事ができます。


あとオススメなのが、下記のYouTube動画。

「消防設備士甲4」対策シリーズ

実はこの動画は合格した後に発見したのですが、電験三種講義で有名な先生が「消防設備士甲4」対策の動画をシリーズでアップし始めたようです。

何本か見てみたのですが、「さすが!分かりやすい!」の一言。

無料の域を超えた神講義!

私が受験する時に、この動画を見る事が出来ていたら勉強の効率は格段に向上したと思われます。受験生の方は是非視聴してみて下さい。


製図の勉強はやり始めると不思議と面白く、何だか高尚なクイズを解いてるように感じました。

しかも製図する際に、ある程度自由度があるので、自分の好きなように感知器を設置することが可能なのです。

実際に自分が設計の仕事を請け負ったようなイメージで問題を解いていくと更に面白い。

自分に合っているのかもしれませんが、型にはまらず独創的な物を作るのが好きな人には向いている分野だと思います。

一例としてこんな問題が出題されます。

下の図は、自動火災報知設備が設置されている防火対象物の4階平面図である。下記条件に基づき、自動火災放置設備の設備図を完成させなさい。

<条件>
1.作図は凡例記号を用いて行う事。

2.警戒区域に関する表示、階段部分の感知器及び上下階への配線本数等の記入は不要とする。

3.受信機は、P型1級を使用し、1階に設置されている。

4.感知器の設置個数は、必要最小限とする。

5.主要構造部は耐火構造とし、天井面の高さは3mとする。

6.煙感知器は、これを設けなければならない場所以外は設置しないものとする。

7.この階は、無窓階には該当しないものとする。

 

そして、解答はこんな感じ。

あくまでも一例であり、これ以外にも何パターンかあります。

問題集に直接書き込んでしまうと1回しか使えないので、図面部分は問題ごとにコピーを取り、慣れるまで繰り返し練習していきました。あと、トレーシングペーパーを使って上からなぞるのもお勧めです。

そして、3周する頃には様々なパターンをこなせるまでになりました。

あとは、乙4の時に覚えた「鑑別」をスキマ時間を使って復習していきました。テキストを常に持ち歩き、空いた時間で鑑別写真を眺めるのです。この手の問題は机に向かって勉強するよりも、スキマ時間を有効活用する方が頭に入ります。

なお、実体験をベースにしたもう少し詳しい「資格の勉強方法」のノウハウについては、下記の記事にまとめているので参考にして下さい。

あと、製図の基本が頭に入ってきたら、街中で建物に入った時に注意して感知器を見つけるようにして「何故、この場所に設置されているのだろう?」と自問自答しながら考えてみるのが、すごく面白いし勉強になりますよ。設計士になった気分になれます。


試験日

会場に入ってみると、ほとんどの人が工藤本を手にしています。相変わらず人気が高い。年齢層は乙4の時と同様に30代〜40代が多い。

試験までまだ1時間ほどありますが、みんな必死に鑑別の練習をしていました。最後の追い込みなのでしょう。私も同じく早目に机に向かい、最終確認に取り掛かりました。

鑑別の筆記対策は直前までやっておいた方がいい。

これは実体験からですが「どう書くんだっけ?」と試験時にど忘れする事もあります。選択問題ならぼんやりとした記憶でも対応できますが、鑑別は完璧な記憶が必要となります。もし思い出せなければ手も足も出ないのです。

試験は計52問
・「選択問題」(電気基礎、消防法令、構造)
→45問
・「実技(筆記)」(鑑別、製図)
→7問

合格基準は各科目ごとに40%以上、全体で60%以上必要となります。試験時間は1時間45分。

「選択問題」は何とかできましたが、問題は「実技(筆記)」です。

鑑別でノーマークだった通報設備が出た上に、製図でも細かいところでミスをしてしまいました。

製図は小学校の見取図だったのですが、「洗い場」に感知器を設置するべきなのか悩み、また廊下に煙感知器を描き込んでしまいました。。。これは盲点だったのですが、小学校の廊下には設置義務はありません。

その他、細かいところで取りこぼした問題がいくつかありましたが、埋めるだけは埋めました。

実技(鑑別、製図)ではかなり部分点をもらえる。

どのような採点方法なのかは一切公表されていません。但し、消防設備士は落とすための試験ではなく、通すための試験です。非常に甘い採点方式である事だけは実体験からお伝えしておきます。


結果発表

ネットでの合格発表日。
受験番号は「O2ー0111」

しばらくの間、結果の画面を見る踏ん切りがつきませんでした。1時間ほど躊躇したあと、震える手ででクリックして結果を表示・・・。

あった!!!!!

上でも書いた通り、実技でかなり部分点をもらえたと思われます。

後日、正式な合格通知書が郵送されてきました。

実技が「68%」。ギリギリでした。危ない危ない。。。あと1問間違えていたら落ちていたでしょう。

どちらにしても合格!

これで4類の勉強は完了となりました。


免許申請

免許を申請してから約1ヶ月後に免許が到着。

ちなみに、この免許は点数制度になっています。

最初の持ち点が20点。違反するとここから違反レベルによって点数が引かれていき、ゼロ点になると免許を返納しなければなりません。

この点数制度について、テキストには載っていないので自分で調べて頭に入れておく必要があります。

2018年現時点の点数制度について下記の記事にまとめています。


甲4の次は、乙6(消火器)を受験しました。

甲4(乙4)と乙6が最も需要の高い組み合わせ。

受験者数でも他の類を圧倒しています。

試験内容&対策については下記記事参照。


消防設備士を活かせる職業

消防設備士は、防災意識の高まりから徐々に需要が上がってきてます。
求人数も増えてきており、設備技術系資格の中での求人数は電気工事士に次ぐ多さです。
求人系調査:電気工事士と消防設備士が強い

実際にどのような求人があるか、『リクナビNEXT』や『DODA』に登録して調べてみてはどうでしょうか?

【登録先】

リクナビNEXT

【登録先】

DODA

高齢合格者情報

この消防設備士の資格は高齢者にも人気があり、69歳で全類(7種類全て)取得された方がいます。しかも1年未満。

69歳で全類取得!

下記の記事に、他の国家資格の高齢合格者と合わせて詳細をまとめています。どのような試験でもやる気と努力、そして確固たる目標さえあれば年齢など関係ないと思うのです。
興味のある方はご一読下さい。


勉強に疲れたら・・・ちょっと一服

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取得資格一覧

私がこれまで取得してきた資格の一覧表を下記ページに記載しています。

各資格の「おすすめテキスト」「勉強方法&ノウハウ」「試験概要」「難易度」などの記事にリンクさせていますので、参考にして下さい。


また、それぞれの免許証の「形状」や「サイズ」、及び「表記内容」がどうなっているのか、下記の記事にまとめました。
同じ資格を目指している方がいれば参考にして下さい。
現物の免許証を見る事で手にした時の具体的なイメージが湧き、多少なりともモチベーションが上がると思います。