特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者 〜合格までの道のり〜

受験の経緯

受験の経緯は有機溶剤取扱作業主任者と同じで、会社の業務で薬液及びドラフトを管理する役職(作業主任者)に就く事になり、会社からの指示でこの資格を取る事になりました。

この資格はマイナーではありますが、特定化学物質を取り扱う現場では必ず作業主任者を設置しなければならないと法律で定められているため、資格取得者は社内で重宝されると同時に就職や転職でも有利になります。

求人の応募資格欄にも「特定化学物質作業主任者の資格取得者は優遇します」という条件をたまに見る事があり、自分のスキルアップの為にも持っておいて損はない資格と思われます。


難易度と合格率

【難易度】★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【試験日程】都道府県ごとに不定期実施
【受験者数】非公表
【合格率】非公表(おそらく90%以上)


申し込み

【講習費用】約15,000円
(講習&受験料&テキスト代金)

【申請先】
全国各地の都道府県の労働基準協会で申し込みが可能。例えば東京都の場合、下記ページ(東京労働基準協会連合会)から日程選択や受講申請方法が記載されている。

全国でも月に一回くらいのペースで講習が開かれているので、居住地の労働安全衛生協会や労働安全課、労働基準協会連合会に問い合わせるか、ネット上でも紹介されています。


講習

事前勉強は一切やっていません。有機溶剤作業主任者と同様、協会から支給されたテキストを元に2日間の講習が行われます。非常に分厚く500ページほどあります。

【講習の内容】
◆特化物による障害及び四アルキル鉛の病理、症状とその予防・応急処置 ・労働環境の改善方法
◆保護具に関する知識
◆関係法令

そして、2日間の講習の最終日、約1時間の修了試験があります。これに合格する必要があるのですが、どの部分がポイントなのか講師の方から教えて頂けるので、そこさえ押さえておけば落ちる事はないと思います。

試験問題は講師が言った所からしか出ない

逆に言うと、2日間ちゃんと聞いていないと確実に落ちます。

ただ、私が受講した時は100人程いた会場で全員が怖いくらいの集中力で講義に耳を傾けており、寝落ちしている方など皆無でした。

ちなみに、講習名にある「四アルキル鉛等作業主任者」とは、四アルキル鉛の汚染から労働者を守るのが役目となります。四アルキル鉛とは別名「テトラエチル鉛」とも呼ばれている特異臭を放つ特定毒物で、特定化学物質とは別物です。

平成18年3月までは「特定化学物質作業主任者」と「四アルキル鉛等作業主任者」はそれぞれ別の講習を受けなければ取得することができなかったのですが、制度が変わり今では一つの講習で両方の資格を取得できるようになりました。


対象薬品

特定化学物質の対象薬品は下記のように分類されます。第1類から第3類までがあり、なかでも第1類に分類されている物質は特に有害性が高く、厚生労働省の許可がないと製造できません。これも有機溶剤と同様に非常に多くの種類が有りますが、全部覚える必要はありません。講師が覚えるポイントだけを教えてくれます。

<第1類:特に有害性が高い化学物質>
ジクロルベンジジン
塩素化ビフェニル
ジアニシジン
ベリリウム
など

<第2類:第1類ほどではないが、有害性が高い化学物質>
アクリルアミド
アルキル水銀化合物
エチルベンゼン
塩化ビニル
塩素
カドミウム
クロロホルム
コバルト
コールタール
シアン化ナトリウム
ヒ素
マゼンタ
硫化水素
など

<第3類:大量に漏れると急性中毒を起こす化学物質>
アンモニア
一酸化炭素
塩化水素
硝酸
二酸化硫黄
フェノール
ホスゲン
硫酸


結果発表

会社経由で発表がありました。落ちることはないとは思っていましたが、さすがに結果発表があるまで気が気できではありませんでした。

そして・・・、合格していました。とりあえず安心。


免許申請

後日、免許(修了証)が発行されましたが、有機溶剤作業主任者と同様、結構立派なカードタイプ。会社経由で受講できて、このような免許が手に入るとは有難い事です。


作業主任者の業務

この資格を取得し作業主任者となった時、具体的にどのような業務を行う必要があるのか代表的なものを3つ列記しておきます。

(1)特定化学物質を取り扱っている現場で作業員が汚染されてしまわないよう、作業方法の決定や指導をする。

(2)作業に使用する安全保護具の使用状況を監視する。

(3)作業員を健康障害から守るために使用する「予防装置」を、1カ月を超えない期間ごとに点検する。

作業者の生死を守る事!

責任のある役職に就きこの資格を持つと言う事は、従業員の生死に関わる重大な任務を担う事になります。ペーパーは許されません。心して臨んだ方がいいと思います。


これまで私が取得してきた国家資格&検定の一覧表は下記にまとめています。「効率の良い勉強方法」「おすすめテキスト」「試験概要」「難易度」「費用」など主要記事とリンク。参考にして下さい。