消防設備士とは
ふたば亭プラスです。
消防設備士は、技術系資格の中で最近需要が急上昇してきており、電気工事士に次ぐ人気資格となっています。
現在、街中の多くの施設には、消防法によって消防設備の設置が義務付けられており、また定期的にその整備や点検、及び工事を行う必要がある為、有資格者はかなり優遇されるのです。
取得しておいて損はない資格です!
なお、この資格は対象となる設備の種類によって、下記のように大きく7つのグループに分かれています。
「甲種」と「乙種」は、工事ができるかどうかで分類されます。
◆甲種:工事、整備、点検が可能
◆乙種:整備、点検のみ可能
私は、この中で「乙種4類」「甲種4類」「乙種6類」「乙種7類」の免許を取得しました。詳細は下記3つの記事を参照願います。
現物の免許はこんな感じです。
しかし、注意が必要なのは、この免許には自動車の免許と同じように「点数制度」があり、3年間で違反点数の合計が20点に達すると免許が取り消され、返納義務が生じるという事。
定期講習を受けないだけでも減点されていく
これは、業務についておらず免許を保持しているだけでも講習未受講違反で減点対象になるという事で、私のように将来を見据えてとりあえず免許を所有しているという人にとっては痛手です。
ただ問題なのが、この辺りの点数制度の詳細は、免許取得時の試験範囲に入っておらず、どのテキストにも記載されていません。自分で調べるしかないのです。ネットに書いてある情報にもバラつきがあります。
そこで現在の点数制度がどのようになっているか、消防局の予防課に問い合わせて確認した上で、その内容を分かりやすくまとめてみました。
違反点数の詳細
まず、現在の基準は『消防設備士免状の返納命令に関する運用について(消防予第67号:H12.3.24発行)』が適用されています。
そして、この中の17条の10項「消防設備士講習受講義務違反」に下記のように定義されています。対象となる部分のみ抜粋しました。
そして、この点数制度について、下記のような詳細な規定があります。
<措置点数の算定等>
免状交付知事は、当該違反行為及び当該違反行為のなされた日を起算日とする過去3年以内におけるその他の違反行為に係る違反点数を合計した点数を免状の種類等ごとに算出し、措置点数が20点に達した免状の種類等がある場合において、当該免状の種類等に係る免状返納命令を行うものとする。
<消防設備士講習受講義務違反について>
受講期限までに受講しない場合に、それぞれ当該期限が経過したとき違反行為があったものとする。また、その後 1 年以内に受講する機会があるにもかかわらず受講しなかった場合は、1 年を経過したとき再度違反行為があったものとし、それ以降においてなお受講しない場合も同様とする。
なお、受講時期については、下記のように定められています。
(1)免状の交付を受けた日以降における最初の4月1日から2年以内
(2)上記(1)の講習を受けた日以降における最初の4月1日から5年以内
以上、簡単にまとめると、こういう事です。
①初期は20点。
②免許返納は過去3年の累積が20点を超えた時。
③受講義務違反は5点。
よって累積は15点まで。
(5点×3年=15点)
つまり、免許取得後、ずっと講習を受けなくても15点を超える事はないのです。
少し安心できましたでしょうか?
自己啓発の為に取得しておきたい方や、資格マニアの方でも安心して免許を保持しておく事ができます。
但し、1点注意事項があります。
例えば、10年以上、講習を受けず11年目から実業務についた場合、既に違反点数が15点なので、5点以上の違反をすると即時免許返納となります。
5点以上の違反としては主に下記のようなものがあります。
(1)資格外又は無資格者を利用した点検の実施:6点
(2)保有する免状対応業務以外の業務実施:8点
(3)設備等の機能が著しく損なわれている:8点
(4)検定対象機械器具等工事への使用禁止違反:7点
(5)事故の程度大:6点
(6)人身事故:6点〜20点
もし将来、本格的に消防設備士の業務に就く予定が出てきた時は、早目に講習を受講しておいた方がいいでしょう。
講習の区分
では、受講する際の講習区分はどのようになっているのでしょうか?
免状の種類によって、下記のように大きく3つに分類されます(甲種特殊除く)。もし、同じ区分の免許を2つ所持していた場合、受ける講習は1つで良いのです。
一例を挙げるとこういう事です。
◆甲4類と乙7類を所持→「警報設備」講習のみ
◆甲4類と乙6類を所持→「警報設備」と「避難設備・消火器」の2つの講習を受ける
もし1〜7類まで全ての資格を持っている方は3つの講習を受ける必要があるのです(甲種特類除く)。
受講費用
受講費用は、都道府県によって多少異なるかもしれませんが、東京都を例に挙げると下記のようになっています。まあ、どこもそれ程変わらないでしょう。
1区分:7,000円(非課税)
受講申請用紙は、各都道府県の消防本部、消防署などに置いてます。
日程も都道府県によって異なりますが、だいたい年1〜2回開催されています。
講習の内容
【時間】9:00〜17:00
【内容】
1.工事整備対象設備等関係法令及び防火に関する他法令等に関する事項
2.工事整備対象設備等の工事又は整備等に関する事項
3.効果測定
まとめ
これまで説明してきたように、消防設備士の免許を取得後は講習を受けなくでも減点されるのは15点までで、返納規定の20点には達しません。
自己啓発、若しくは消防設備関係の勉強の為に取得されるような方はずっと未受講でも構わないと思います。
しかし、
もし将来、本格的に消防設備士の業務に就く予定があるならば、講習は受けておいた方がいいでしょう。何より人命を預かる職務になりますし、思わぬところで火災を発生させる事にもなりかねません。
消防設備士の法令は非常に早いテンポで変わっており、講習では最新の法令について教えてくれます。責任感を持って取り組む事が必要と思われます。
私がこれまで取得してきた資格の一覧表について、下記にまとめていますので参考にして下さい。各資格の受験対策についてメイン記事とリンクさせています。
また、国家資格の勉強をする際のノウハウについて下記の記事にまとめています。