消防設備士乙種6類に独学で一発合格する方法

受験の動機

ふたば亭プラスです。

消防設備士甲種4類に合格した後、甲4と並んで人気の高い乙種6類を受験する事にしました。「消火器」の整備と点検を行える資格です。なお6類の場合、工事区分がないので種別は乙種のみとなります。

覚える量も、甲4に比べると少ないので敷居が低いし、消火器はどの建物にも設置されているので、持っておけば何かと役に立つかもしれないという思いがありました。

また、この資格を持っていれば、ビルメンテナンス業界だけでなく、消防設備業社でも活かす事ができ、仕事の幅が大きく広がります。

実際に設備技術系の直近の求人数を調べたところ、トップの「第二種電気工事士」に次いで「消防設備士」が2位でした。

詳細は下記記事を参照願います。


難易度と合格率

【難易度】★★★☆☆☆☆☆☆☆
【試験日程】都道府県ごとに不定期実施
【受験者数】約2万人/年
【合格率】30%〜40%

「受験者数と合格率」の年度ごとの詳細データについては下記の記事にまとめたので参考にして下さい。


申し込み

【受験費用】3,800円

【申請先】一般財団法人 消防試験研究センター

甲4の免許を保有していると消防関係法令の「共通部分」が免除となります。。しかし、この免除は使わない方がいい。ハッキリ言って罠です。(と私は思う)

なぜなら、免除される部分が「加点扱い」される訳ではなく単純に問題数が減ってしまうので、1問1問のウエイトが重くなるだけ。そして合格ラインの6割は変わらないのです。

【科目免除一覧】

◎:「共通部分」と「基礎的知識」が免除
◯:「共通部分」が免除

また、今回は甲4を受験して間がないという事もあり、法令の共通部分はまだ記憶に残っていた為、免除制度を使わずにフル受験する事にしました。


勉強方法

テキストと問題集は、危険物、及び消防設備士4類で散々お世話になった工藤先生の本(通称 工藤本)を購入。これまでの経験上、この方の書籍は試験対策として完璧だと思っています。ネット上での評価も相当高い。危険物&消防設備士関連の試験対策本で迷ったら、この工藤本を買っておけば間違いないでしょう。

暗記する範囲は膨大です。
(4類よりマシですが・・)

しかし、助かったのはこの工藤本のゴロ合わせです。漫画チックなイラストと共に非常に多くのゴロ合わせが掲載されており、一度見たら頭にこびり付きます。

初見では、あまりにも変化球的なゴロ合わせに「なんじゃこりゃ?」状態なのですが、不思議と記憶の中枢に居座ってくれるのです。そういう部分も計算されているとしたら、この人の言葉のセンスは相当なものだと思われます。

私は試験後、数ヶ月経った後でも頭に残っていました。

あと、もう一つ勉強する上でのアドバイス。

鑑別の写真を一番最初に目を通す

いきなり、原理&構造から入っていってもなかなかイメージが掴めません。最初に鑑別の写真を頭に入れておくとすんなりと理解できるし、記憶に定着しやすくなります。

ただ1点注意すべきなのは、消火器構造のかなり細かい部分まで問われてくるので、消火器そのものに興味がなければ、途中で嫌になり勉強が続きません。私自身、4類については電気的な要素も入っていたので面白く勉強できましたが、消火器は無味乾燥な項目が多く、1週間目で投げ出したくなりました。

しかし、受験料を払っている以上、受けない訳にはいかない。。。

とりあえず、外出する際は消火器があれば立ち止まってじっくりと観察する癖をつけ、「何故ここにこの種類の消火器があるのか?」、「どんな仕様になってる?」など自問自答するようにしました。また、youtubeの動画で、実際に消火器を扱っている所を可能な限り見るようにしました。

こうしているうちに、徐々に消火器に対して興味を持てるようになってきて、構造の細かい部分を覚えるのも苦痛ではなくなってきたのです。

勉強時間は1日1時間以上。約1ヶ月。

いかに疲れていても、他に用事があっても、最低1時間は勉強するようにしました。机に向かうのが辛い日は、鑑別の写真だけでも眺めるようにしました。

なお、実体験をベースにしたもう少し詳しい「資格の勉強方法」のノウハウについて、下記の記事にまとめているので参考にして下さい。


試験日

会場に入ってみると、やはりほとんどの人が工藤本を手にしていました。相変わらず人気が高い。年齢層は甲4の時と同様に30代〜40代が多い。そして女性は皆無でした。

最終仕上げとして、試験が始まるまで「鑑別」の筆記練習をひたすらやりました。

鑑別の筆記対策は直前までやっておいた方がいい

これは実体験からですが「どう書くんだっけ?」と試験時にど忘れする事もあります。選択問題ならぼんやりとした記憶でも対応できますが、鑑別は完璧な記憶が必要となります。もし思い出せなければ手も足も出ないのです。

試験は計35問
・「選択問題」(機械基礎、消防法令、構造)
→30問
・「実技(筆記)」(鑑別、製図)
→5問

合格基準は各科目ごとに40%以上、全体で60%以上必要となります。試験時間は1時間45分。

工藤本の合致度は相変わらず高かったのですが、何問かは選択肢の最後の絞り込みで2択のどちらか迷うものがあありました。変化球的なモノが結構あったのです。・・・が、最初の直感を信じて書き換えはしないでおきました。

この「直感を信じる」というポリシーは、これまで様々な国家試験を受けてきた私の実体験に基づくもので、最初にこれだと感じた答えはほぼ9割がた正解なのです。

また、書き直してそれが不正解だった場合、更にはそれが原因で試験に落ちてしまった場合、悔やんでも悔やみきれない事になります。であれば、潔くそのままにしておいた方が自分なりに納得がいくと思います。

「選択問題」は何とかできましたが、問題は「実技(筆記)」です。細かいところで取りこぼした問題がいくつかありましたが、埋めるだけは埋めました。

実技(鑑別、製図)ではかなり部分点をもらえる

どのような採点方法なのかは一切公表されていません。但し、消防設備士は落とすための試験ではなく、通すための試験です。非常に甘い採点方式である事だけは実体験からお伝えしておきます。


結果発表

ネットでの合格発表日。受験番号は「V1ー2620」

あった!!!!

試験の手応えはちょっと微妙で、落ちても仕方ないと思っていましたが・・、とりあえず良かった。

後日、正式な合格通知書が郵送されてきました。

「筆記」が全体で93%、「実技」が75%と思った以上に点数が取れていました。しかし、実技で不正解となった25%について、どこが間違えていて何が正解なのか教えて欲しい・・・、まあ仕方がない。


免許申請

免許申請から約1ヶ月。ようやく免許が届きました。

ちなみに、この免許は点数制度になっています。

最初の持ち点が20点。違反するとここから違反レベルによって点数が引かれていき、ゼロ点になると免許を返納しなければなりません。

この点数制度について、テキストには載っていないので自分で調べて頭に入れておく必要があります。

2018年現時点の点数制度について下記の記事にまとめています。


追記

4類(乙種、及び甲種)を目指している方は、下記の記事も参考にして下さい。


高齢合格者情報

この消防設備士の資格は高齢者にも人気があり、69歳で全類(7種類全て)取得された方がいます。しかも1年未満。

69歳で全類取得!

下記の記事に、他の国家資格の高齢合格者と合わせて詳細をまとめています。どのような試験でもやる気と努力、そして確固たる目標さえあれば年齢など関係ないと思うのです。
興味のある方はご一読下さい。

私がこれまで取得してきた資格の一覧表は下記にまとめています。