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冷凍機械責任者とは
ふたば亭プラスです。
冷凍機械責任者は、冷凍機械に関る高圧ガスを製造できる施設で保安管理を行う事が出来る資格で、一種、二種、三種と3ランクに分かれています。
第一種 | 全ての製造施設の保安が可能 |
第二種 | 1日の冷凍能力300トン未満の製造施設 |
第三種 | 1日の冷凍能力100トン未満の製造施設 |
この資格は「高圧ガス製造保安責任者」の一種で、設備技術系資格の中では結構有名なのですが、世間一般ではあまり知名度がありません。
実は、私も長年こんな資格がある事は知りませんでした。
ただ、子供の頃から「冷蔵庫やクーラーがどんな仕組みでモノを冷やしているのだろう?」という事には興味を持っていたのです。
この原理は非常に特殊で、学校ではあまり詳しく教えてくれません。大学でも機械工学系の学部で専門専攻しないと触れ合う機会も少ないと思います。
そんな中、自己啓発として様々な設備技術系の資格にチャレンジする計画を立てていた時、その中にこの『モノを冷やす原理:冷凍サイクル』をマスターできる冷凍機械責任者の資格の存在を知ったのです。
モノが冷える仕組みを理解できる資格!
冷凍サイクルのイメージ図はこんな感じ。
【冷凍サイクル】
パッと見は難しそうに見えますが、ここに「モノが冷える仕組み」の全てが集約されているのです。逆に言うと、これさえ理解できれば二種までの免許は取得できます。
なお、この冷凍サイクルについては「TRANE」と言う空調メーカーのHPに比較的分かり易く書かれています。
興味を持てば面白い!
冷凍装置の責任者になりたいという人以外でも、この分野に興味があれば楽しく勉強できると思います。
実際、私は現在の仕事は全く別分野ですが、好奇心から第三種にチャレンジして、その独特の世界観に魅了され、そのまま第二種まで取得してしまいました。
手元の免許は2つになりました。三種免許は返却の必要もないので、このまま記念に持っておこうと思います。
ちなみに、どちらの免許証もこのようなカバーケースの中に入れられています。なかなかカッコイイ!
受験履歴
第三種から第二種を取得するまでの履歴を簡単にまとめました。
受験履歴
2017年9月1日 | 三種 | 国家試験申し込み |
2017年11月12日 | 三種 | 試験日 |
2018年1月5日 | 三種 | 合格発表 |
2018年1月24日 | 三種 | 免許取得 |
2018年1月中旬 | 二種 | 講習申し込み |
2018年2月14日〜2月16日 | 二種 | 講習受講 |
2018年3月4日 | 二種 | 検定試験日(学識&保安) |
2018年3月29日 | 二種 | 合格発表 |
2018年11月11日 | 二種 | 試験日(法令) |
2018年1月7日 | 二種 | 合格発表 |
2019年2月8日 | 二種 | 免許取得 |
三種は独学で国家試験で一発合格。
二種については三種合格の後、すぐに講習会に参加し「学識」と「保安管理技術」の検定試験をパスした後、「法令」のみの国家試験で合格。トータル1年半ほどかかりました。
もし、二種の資格まで目指そうとしている方は三種合格の後、冷凍サイクルの基本を忘れないうちに、すぐに二種の勉強に取り掛かった方がいいでしょう。
なお、ネット上では、よく「三種を受けるくらいなら、最初から二種を狙った方がいい」とか「難易度はあまり変わらない」とか「講習さえ受ければ誰でも合格できる」など書かれている事がありますが、あまり真に受け止めてはいけません。
三種で基礎固め→二種の応用に生かすのが鉄則。いきなり二種を受け撃沈する受験生多。
このブログを開設してから、冷凍機械の受験生からDMを頂く事も多いのですが、このようなケースをよく見かけるのです。
学生の頃に冷凍サイクルを学んでいた方や、よほど優秀な方は別として、私を含めて一般的な素人の方は、三種→二種の段階を踏んで着実に免許を取得していく事をオススメします。
なお、各資格について、「申請方法」「勉強ノウハウ」「試験会場の様子」「講習会のカリキュラム」などを下記の記事に詳細にまとめているので、ご一読下さい。
勉強方法
詳細な勉強方法については、上記の記事内に詳しく書いていますが、この資格を取得する上で最も重要な事を3つ挙げておきます。
(1)面白さを認識する
(2)真髄を理解する
(3)無理な計画は立てない
この3点さえ心に留めておけば、勉強はかなり楽になります。
(1)面白さを認識する
冒頭にも書きましたが、この資格の勉強は面白さに満ちています。会社からの業務命令で仕方なく受験する方も多いかもしれませんが、ちょっと発想を変えてみて下さい。
なぜモノを冷やす事ができるのか?
このナゼナゼが、資格の勉強をする事で習得できるのです。興味がありませんか?そして、その仕組みを理解できた時、「なるほど!そう言う事だったのか!」と感心すると思いますよ。
(2)真髄を理解する
この資格は、過去問を丸暗記するだけでは取得する事は出来ません。しっかりと理解し、『冷凍サイクル』を頭の中でイメージできるようにする必要があります。
上の図でも書きましたが、基本は「蒸発」→「圧縮」→「凝縮」→「膨張」です。この4つを頭の中でグルグル回すのです。
覚えなければならない用語はたくさん出てきますが、このベースさえしっかりと構築できていれば、自然と頭に入ってきます。
(3)無理な計画は立てない
この試験は1年に1回しかありません。勉強は長期計画を立てましょう。試験前の1〜2週間の詰め込み学習で理解できるものではないし、そんな勉強だと苦痛でしかありません。
20〜30分でもいいので毎日勉強し(スキマ時間だけでもOK)、それを2〜3ヶ月続けれる方がはるかに楽なんです。
これはこの資格だけに限らず、他の国家資格でも同様の事が言えます。これまで私は様々な国家資格の勉強をしてきましたが、そこで体得した勉強のノウハウを記事にしていますので、参考にして下さい。
合格率
合格率は三種は30〜40%、二種は約30%ほどです。
一時期、合格率が20%を切る「魔の平成26年度」がありましたが、最近の合格率は落ち着いてきています。
◆三種:30〜40%
◆二種:約30%
技術系の資格の中では若干難しい部類に入るでしょう。しかし、しっかりと受験対策をすれば基礎知識なしの素人でも合格する事は出来ます。
実際、私がそうでした。
10人中6〜7人も落ちてしまう試験ではなく、3〜4人も合格できる試験なのです。プラス思考で考えていきましょう!
合格率の詳細なデータについては、下記の記事にまとめています。
オススメ参考書&問題集
三種から二種と受験してきた経験と入手した情報をもとに、オススメの参考書と問題集を列記します。
第三種
三種については、この2冊が大定番!私もお世話になりました。これさえやっておけば、間違いなく三種は合格できます。
あと、ネット上のサイトでオススメなのが「EchoLand」。冷凍サイクルの基本を過去問をもとに初心者にも分かり易く提供してくれています。
無償とは思えないほどのクオリティーです。
第二種
二種の参考書はあまりいいものがありません。あえて言えば、日本冷凍空調学会が発行している「上級冷凍受験テキスト」でしょう。
講習会でも、このテキストをベースにしています。
あと、過去問題集の定番と言えばこれ。三種と同じ電気書院発行の良書です。
資格所有者の需要
高圧ガスを製造している大規模な施設や、半導体の巨大な製造ラインなどでは冷凍能力が100トンを超える所が多く、「第二種」の資格保持者を優遇する傾向があります。
また近年、設備技術系の会社(ビルメン)などで、免許を必要としない施設であっても「知識の証明」として三種、二種を問わず評価してもらえる事もあります。
リクナビやDODAなどのサイトでもこのような記述を見かける事もあり、確実に需要はあります。他人にはないスキルをアピールする上でも持っていて損はない資格だと思いますよ。
冷凍機械以外に、私がこれまで取得してきた資格の一覧表、及び各資格の勉強方法のノウハウについてを下記にまとめています。
あと、主な技術系国家資格の免許証の「形状」「サイズ」「表記内容」の詳細について、ざっくりまとめました。
(私が取得したものに限りますが・・。)
同じ資格を目指している方がいれば参考にして下さい。
現物の免許証を見る事で手にした時の具体的なイメージが湧き、多少なりともモチベーションが上がると思います。