第二種冷凍機械責任者 〜講習&検定試験合格まで〜

受験の経緯

ふたば亭プラスです。

第三種冷凍機械責任者(3冷)の資格を取得した事で「冷凍サイクル」の基本を理解でき興味も湧いてきた為、更に上位資格である第二種冷凍機械責任者(2冷)を目指してみたくなりました。

<冷凍機械責任者の区分>
◆第一種冷凍機械(1冷):
全ての製造施設の保安が可能
◆第二種冷凍機械(2冷):
1日の冷凍能力が300トン未満の製造施設の保安
◆第三種冷凍機械(3冷):
1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設の保安

冷凍機械責任者の資格取得には2パターンあります。


①パターン
国家試験で全科目受験
→「法令」「管理保安技術」「学識(1,2種のみ)」

②パターン
講習受講&検定試験合格後に科目免除で国家試験
→検定試験合格で「学識」「管理保安技術」免除。
国家試験は「法令」の1科目となる。


3冷は①パターンで取得したのですが、2冷は②パターンで受験してみることにしました。講習は平日に3日間ありますが、運良く日程を調整する事ができ、また冷凍サイクルについて専門家の講義を聞いてみたかったのです。

あと、②パターンで受験する事のメリットとして、検定試験に合格して科目免除の権利を得ると、それは無期限で有効になるという事。

要は、その年の国家試験の「法令」で不合格になったとしても、翌年、翌々年と永続的に科目免除が適用されるのです。非常においしい制度と言えるでしょう。


難易度と合格率

【難易度】★★★★★★☆☆☆☆
【試験日程】1回/年(講習は2回/年)
【受験者数】
(全科目)約3千人
(科目免除)千2百〜千3百人
【合格率】
(全科目)14%〜30%
(科目免除)85%〜95%

「受験者数と合格率」の年度ごとの詳細データについては下記の記事にまとめたので参考にして下さい。


申し込み(講習&検定)

【受験費用】18,400円

【申請先】高圧ガス保安協会

この受講費用にテキスト代金は含まれていません。テキスト2冊で約5,500円ほどします。よって、受講費用とあわせると24,000円ほど。会社経由ではなく個人で受講する場合、結構な出費となる為、事前に留意しておいた方がいいと思います。


勉強方法

講習に申し込んだ後、1週間ほどして2冊のテキストが郵送されてきました。

「上級冷凍受験テキスト」約230ページ

「冷凍関係法規集」約600ページ

講習受講後に写真撮影した為、付箋を貼りまくっていますが、このテキストが送付されてきた時期は「甲種危険物」の試験勉強を追われていた為、事前に予習する時間がほとんど取れませんでした。

パラパラと眺める程度しか出来なかったのですが、感じた印象としては「3冷より奥が深い。難しい・・。」という事。テキストの構成上の問題もあるのかもしれないが、サッと読んでサッと理解できるものではありませんでした。

予習は諦め、講習に全力を注ぐ事に。

ちなみに、上記テキストはネットでも購入する事ができます。ポイントを使いたい人や貯めたい人はネット購入した方がお得かもしれません。


講習受講

2018年2月14日〜16日の3日間、下記スケジュールで講習が行われました。

・1日目:9:00〜17:00  法令
・2日目:9:00〜17:00  学識
・3日目:9:00〜17:00  保安管理技術

1日目

会場は180名満席で、年齢層は30〜40代の中年男性が大半を占めていました(女性はゼロ)。受講30分前にはほとんどの方が着席しており、一心不乱にテキストを読んでいます。2級ボイラーの講習の時とは明らかに雰囲気が違いました。みんな真剣そのもの。

そんな中「法令」の講義が始まりました。講習ではスライドでの説明が主体であり、そのスライドの内容をまとめた下記テキストも配布されました。(約20ページ)

これが非常に良くまとまっており、何が重要ポイントか一目瞭然で分かるレベル。このテキストも事前に送付しておいて欲しかった。。。講師の先生は教え方が非常に上手く、約8時間の講義も苦痛ではなく寝落ちしている人はほとんどいませんでした。平成28年から法改正された部分がいくつかあり、そこをかなり強調している印象を受けました。「法令」は検定試験の対象外ですが、11月の本試験を受ける際にはこれらの情報は役立つかもしれません。

◆不活性ガス及び特定不活性ガスの種類
◆冷媒ガス漏洩時の防止措置
◆冷媒ガスの廃棄方法
◆高圧ガスの貯蔵、車両積載時の注意点


2日目

「学識」の講習。この日は、テキスト以外に冷熱サイクルの計算式を解くための要点をまとめたA3サイズの1枚プリントが配布されました。おそらく講師の方が自らまとめられたものと思いますが、計算問題に対処するための重要式が網羅されています。また、よく出る過去問まで詳細な解説と共に掲載されています。どこの会場でも、テキストの補助資料として講師がそれぞれ工夫を凝らした教材が配布されているようです。

あとは「上級冷凍受験テキスト」の中で、どこが検定試験に出そうなのかという事を教えて頂けるので、ひたすら付箋を貼りながら、その個所に蛍光マーカーで線を引いていきます。

なお、講師の方は検定試験の詳細を知らないとの事。作成している方は協会内に別におり、その方からどこが試験範囲なのかという事だけ聞いているだけのようです。
よって、マーカー指定のあったところがピンポイントで出る訳ではなく、あくまで予測という事らしい。まあ、それでも十分ありがたいですね。

ちなみに、学識で必要最低限覚えておかなければならない公式を下記に列記しておきます。

◆qmr(冷媒循環量)=V・ηv/v
V:ピストン押しのけ量、ηv:体積効率、
v :比体積

◆φo(冷凍能力)=qmr(h1-h4)
◆Pth(理論断熱圧縮動力)=qmr(h2-h1)
◆P(実動力)=qmr(h2-h1)/ηc・ηm
ηc:断熱効率、ηm:機械効率
◆φk(凝縮能力)=qmr(h2-h3)
◆COP(成績係数)=φ0/P
◆COPh(ヒートポンプ成績係数)=φk/P

3日目

「保安管理技術」の講習。この日「上級冷凍受験テキスト」のみをベースにして重要ポイントを教えて頂きました。前日の「学識」と同様、蛍光マーカーで線を引きまくっていったのですが、全てマーキングした後に改めてテキストをみると、マーカー部分だけでもかなりの量があります。必然的にその前後の内容も理解する必要があり、結局はテキストの1/4くらいは読み込まなければならなりません。

講習を受ける前は、ピンポイントで試験問題を教えてもらえると思っていたのだが、そこまで甘くはないようです。

なお、会場では休憩時間に検定試験の過去問が4回分販売されていました。1回分250円。みんな列を作って4回分購入しているので、私も右に習って購入しました。ただ、この過去問が曲者で、今回の試験範囲から若干ズレています。毎回同じ問題が出るわけではなく、出題傾向を変えてくるので当然ではありますが・・。まあ、どのような形式で検定試験が行われるかという雰囲気はつかめます。その程度に捉えておいた方がいいようです。


試験勉強

3日間の講習が完了!
長時間でしたが、熱力学のプロの講義を受講できたという事だけでも大満足。3冷受験の時、独学で勉強していていまいち分からなかった部分がクリアになった事も収穫が大きかったと実感できました。

約2週間後に検定試験。
ただ、1週間後に「消防設備士乙6」の試験があったので、実質勉強できたのは5日ほどでした。

まずはマーカーを引いた部分の読み返しから始めていったのですが、ただぼんやり読んでいるだけでは頭に入ってこない。かといって、過去問をやったところで試験範囲からズレてきます。
よって、マーカーを引いたところを中心にして、自分なりにノートに書きながらまとめていきました。

これまで色々な資格試験を受けてきましたが、ノートにまとめるという作業をしたのは今回が初めて。問題集とテキストに直接書き込みながら、繰り返し徹底的にやり込んでいくというのが私のスタンスだったのですが、今回はそれが通用しそうにありません。

とりあえず、1週間はひたすらノートにまとめながら頭に叩き込んでいきました。


検定試験日

2018年3月4日。

私は試験がある時は、余裕を持って1時間前には着くようにしています。今回も少し早目に会場に着いたのですが、既に20人ほど来ており、みんな講習時のテキストを一心不乱に読み込んでいます。グループになっている人達もいて、おそらく会社経由で受験するのでしょう。私も自分でまとめたノートをベースに最終確認を行いました。

そして試験開始。

「学識」が10問(60分)、「保安管理技術」が10問(90分)で、合格基準はそれぞれの科目を60%以上正解する必要があります。

感触は微妙でした・・・。
難しい、というか不勉強だったのを痛感。大半の問題について、選択肢を2つまで絞り込めるのですが、どちらか悩む問題だらけ。ここはやってたはず、という事は分かるのですが、どちらかが思い出せない。

不安な気持ちのまま試験用紙を提出。自分の直感を信じるしかない。。。


問題・正解答公開

2018年3月5日。
ネットで問題と正解答が公開されました。

自己採点したところ、学識は大丈夫でした」が、保安管理技術の方がギリギリで通っているかどうか微妙なレベル。結果発表まで安心できません。マークミスさえしていなければいいが。。。


結果発表

2018年3月29日。ネットでの合格発表日。

受験番号は「271−58−0097」。震えながら確認。。。

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あった!!!

いや〜〜、ホットしました。多分ギリギリの合格。思ってたほど検定試験は甘くないと痛感しました・・・。

その後、正式な合格通知と講習修了証が送付されてきました。

なお、今回の検定試験の合格率が全国でどんなものだったのか、調査して下記の記事にまとめておきました。
今後、講習&検定を受けようと計画されている方は是非一読願います。


その後、11月の本試験(法令のみ)を受験したのですが、その時の様子を下記の記事に書きましたので、もし興味があればご覧下さい。


これまで取得してきた資格の一覧表は下記にまとめています。

「効率の良い勉強方法&ノウハウ」「おすすめテキスト」「試験概要」「難易度」「費用」などメイン記事とリンクさせているので、同様の資格にトライされる方は参考にして下さい。