エックス線作業主任者の受験者数と合格率から見えてくる事

エックス線作業主任者とは

エックス線作業主任者は、世間一般では「何?それ?」と、あまり馴染みのない資格ではありますが、エックス線を使用する工業用分析装置非破壊検査機などを使用する現場では必ず必要であり、管理区域ごとに作業主任者を選任する事が、安全衛生法により義務付けられています。

ニッチな国家資格ですが、上記のような作業を行う企業では資格保有者は優遇されるため、自身のスキルアップや、職場でのステップアップに有益な資格と思われます。異業種に転職しようと計画している方も、仕事の幅を広げる為に持っていて損はない資格でしょう。


試験概要

この資格の試験概要について簡単に説明しておきます。

【試験科目と出題数】
①エックス線の管理に関する知識:10問
②関連法案:10問
③エックス線の測定に関する知識:10問
④生体に与える影響に関する知識:10問
合計:40問

【試験時間】
①、②:2時間
③、④:2時間  計4時間

【合格基準】
◆①〜④の各科目ごとの得点が40%以上
◆合計点が60%以上

なお、試験は財団法人安全衛生技術試験協会が指定期間となって、全国7か所の安全衛生技術センターで実施されています。年間3〜6回ほどだが、センターが近くにない地方については、出張試験も行われているため、受験チャンスはもう少し多い。不合格となっても、すぐにリベンジできる環境は整っています。

では、この資格の毎年の受験者数や合格率はどのようなものであるか?表とグラフにまとめてみました。


受験者数と合格率

受験者数は、5千人〜6千人ほどでこの10年間でほぼ横ばい。
合格率については、50〜60%となっています。

ただ注意して欲しいのは、この試験を受ける受験生の大半はバリバリの理系が多く、専門性の高い知識を保有している方々である事。それらの方々が試験を受けても半分しか合格できないのです。

難易度は一般的な技術系資格の中では、やや難しいレベルに当たると思われます。

私はこの免許を所有していますが、受験時の詳しい内容については、下記の記事にまとめているので参考にして下さい。


総括

技術系資格は、世間では「電気工事士」「電験」「危険物」「消防設備士」などの分野の人気が高いのですが、逆にいうとそれだけ競争率も高くなります。この資格はやや難しいレベルにはありますが、「電験」ほどではなく、計画を立てて勉強に取り組めば2ヶ月もあれば充分合格に達すると思われます。

就職(転職)をする際、このような競争率の低い分野を視野に入れてみるのもいいでしょう。