第二種電気工事士の受験者数と合格率から見えてくる事

第二種電気工事士とは

第二種電気工事士は、一般住宅や店舗などの600V以下で受電する設備の工事の際、配線図通りに屋内配線を行い、コンセント設置やアース施工などを行う事ができる資格です。

これは有資格者しか作業できないという事が法律で定められており、専門技能のある人材としてニーズは高く、様々な業種に就職(or転職)する際に安定した収入が期待できます。また、電気系資格の登竜門的な位置付けとして、世間一般で広く認知されています。

なお、この資格は「筆記」だけではなく「技能」試験り2つの試験に合格しないと免許が発行されません。

では、この2つの試験の毎年の受験者数や合格率はどのようなものであるか?データを表とグラフにまとめてみました。


受験者数と合格率

筆記試験

このデータは、前期試験(6月)と後期(10月)を合算して集計しています。

受験者数は年々増加しており、平成27年度以降は11万人を超えています。いかに人気が高い資格か分かると思います。そして合格率ですが、ここ数年は約6割に落ち着いており、5人に3人は合格する試験となっています。

極端に合格率が低い年度もなく、試験問題のレベルはほぼ一定に調整されていると思われます。


技能試験

このデータは、上記の筆記試験同様、前期試験(6月)と後期(10月)を合算して集計しました。

筆記試験を合格しないと受験できないという規定がある中で、受験者数は平成21年から30年までほぼ一定で約8〜9万人です。何故ここまで変動する事なく一定の人数になっているのか疑問ですが・・・。

そして合格率は68%〜76%ほど。年度によって若干の変動はありますが、約7割の合格率。ちなみに平成29年から技能試験の基準が厳しくなりました。平成28年までは「軽欠陥は2つまでOK」となっていたのですが、平成29年からは「一切の欠陥は認めない」ということになったのです。

それでも合格率にあまり変動がないという事は、受験生がそれに合わせた対策をしていたからでしょう。実は私も平成29年受験組なのですが、この基準の厳格化が発表された時は落ち込みました。ただ、どのようなミスをすれば欠陥判定になるのかという明確な判定基準を電気技術者試験センターが開示してくれたので、そのミスをしないよう徹底的に練習を積み重ねて試験に挑んだのです。
→下記の受験時の記事を参照。

まあ、よく考えてみれば、電気工事士を目指す試験で配線ミスを認めてもいいというのは本来おかしな話で、ようやく正常な試験として機能してきたという事でしょう。


総括

筆記試験の合格率が約6割、技能試験の合格率が約7割なので、全体の合格率は約4割といったところ。技術系資格の中では、中堅の部類に入るでしょう。ただ、電気素人は片手間の勉強では玉砕することは間違いなく、両試験を一発合格するには慎重に計画を立てて勉強に取り組む必要があります。

平成29年度から技能試験が厳格化されたように、いつまた試験制度が大きく変わるか分かりません。これだけ受験者数が多いので急に難化する可能性もあります。対策を立てやすいうちに早目に受験しておいた方がいいでしょう。

なお、私がこれまで取得してきた資格の一覧表は下記にまとめています。参考にして下さい。