第三種&第二種冷凍機械責任者の受験者数と合格率から見えてくる事

冷凍機械責任者とは

ふたば亭プラスです。

冷凍機械責任者とは、冷凍機械に関る高圧ガスを製造する施設で保安業務を行う事ができる資格であり、一種、二種、三種と3ランクに分かれています。

<冷凍機械責任者の区分>
◆第一種冷凍機械(1冷):
全ての製造施設の保安が可能
◆第二種冷凍機械(2冷):
1日の冷凍能力が300トン未満の製造施設の保安
◆第三種冷凍機械(3冷):
1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設の保安

高圧ガスの取り扱いは大変危険である為、大型の冷凍機械を取り扱う際にはこの資格を保有している作業員が行う事が法律で定められています。ただ、最近では保安業務を必要としないユニット型の冷凍設備や地域熱供給の冷凍設備を導入している会社が増えてきています。

しかし、この資格を保有していると冷凍サイクルに関する知識があるという事の証明になり、冷凍機械を設置している会社へ就職(or転職)する際にアピールポイントになります。ボイラー技士と似たような位置付けにあるのでしょう。

なお、ビルメンを目指している人は知識の証明さえできればいいので、大抵「三種」をターゲットとします。ただ、自分のアピールポイントを高めようとする為に「二種」を目指す人も多い。
しかし、「一種」は一気に難易度が上がる為、実際に関連業務についている人しか受験しないと思われます。

私は「三種」の免許を取得できましたので、その時の様子を下記の記事にまとめています。

なお、この資格を取得する際「全科目受験」と「科目免除受験」の2つの方法があります。

①国家試験で全科目受験
→「法令」「管理保安技術」「学識(1,2種のみ)」

②講習受講&検定試験合格後に科目免除で国家試験
→検定試験合格で「学識」「管理保安技術」免除。
国家試験は「法令」の1科目となる。

では、この資格の毎年の受験者数や合格率はどのようなものであるか?メインの「三種」と「二種」について、表とグラフにまとめてみました。


受験者数と合格率(第三種)

全科目

受験者数は8千人〜9千人と毎年安定しています。ただ、合格率の変動は激しい。。。平均すると30%〜40%ほどですが、平成26年度に一気に落ち込んでいるのが分かります。何と合格率19%。

一部では、「魔の26年度試験」と言われているようです。
この頃受験した人は納得がいかなかっただろう・・・。

私も実際にこの当時の過去問を解いてみましたが、確かに他の年度と比べて難しい。一方、平成21年〜22年は簡単に感じました。難易度にムラがあるだけでなく、この試験の特徴として明らかに「引っ掛け」を意識して作成されており、対策が非常に厄介。受からせる為の試験ではなく、落とす為の試験であるように思えます。

ビルメン4点セットの他の資格と比べて、最難関といわれる所以でしょう。


科目免除

全科目受験の負担を少しでも減らす為、科目免除制度を利用している人は平成27年度から増加しています。コンスタントに2千人を超えてきており、これは「魔の26年度試験」の余韻なのでしょう。合格率は26年度を除くと70%〜90%と非常に高くなっています。

どうしてもこの資格を取りたい人は科目免除制度を利用するのが確実と思われます。

ただ、講習&検定費用(約1万6千円:平成30年度時点)と日程(3日講習+1日検定試験)を調整する必要があ理ます。
高圧ガス保安協会(講習)


受験者数と合格率(第2種)

全科目

次に、上位資格の「二種」はどうなのか調べてみました。

全科目の受験人数は徐々に減ってきており、直近の平成29年度では3千人を割り込んでいます。合格率は非常に波があり、14%〜30%となっています。

「三種」と比較して受験者数が約4割ほどであり、合格率は更に波がある為、かなり取っ付きにくい資格と言えるます。


科目免除

科目免除については、受験者数は毎年だいたい1200〜1300人程度と少ない。一方、合格率は平成26年度を除くと、85%〜95%と高くなっています。事前講習&検定試験の有効性が良く分か理ます。

なお、私はこの2種冷凍の事前講習&検定試験を受けました。この時の様子を下記の記事にまとめていますので、参考にして下さい。


総括

冷凍機械の試験は年度によって難易度に差異がある為、受験する年の難易度が急に上がって撃沈する可能性が高い。また、過去問の傾向性を読みにくく、熱力学の全てを理解しておかないと試験に対処できません。

確実に合格したい方は、科目免除制度を使える講習に参加した方がいいが、もし講習に参加する時間があるなら「三種」ではなく、いきなり「二種」を目指してみるのもいいかもしれません。但し、講習のみに頼るのではなく、予習&復習は必要です。


なお、私がこれまで取得してきた資格の一覧表、及び各資格の勉強方法のノウハウについてを下記にまとめています。