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ドローンと電波法
ふたば亭プラスです。
最近人気が急上昇しているドローン。皆さんご存知のように、ドローンは遠隔操作で機体を操縦する事ができます。そして、なかにはカメラを搭載しているモデルもあり、その映像をヘッドマウントディスプレイに送信する機能が付いているものもあります。
そして、この映像の送受信と操縦に電波が使用されているのです。
このドローンに使用される電波には主に「2.4GHz帯」と「5.8GHz帯」の2つがあります。
【2.4GHz帯】
◆最も主流となっており、ほとんどの民生用ドローンがこれに該当
◆壁や床などの障害物に強く電波が遠くまで届く
◆無線LANや電子レンジなど様々な製品に使用されている為、電波干渉を受けやすい
◆特別な免許は不要。
【5.8GHz帯】
◆2.4GHz帯と比較して障害物に弱い
◆電波干渉を受けにくい
◆高速通信が可能で安定している
◆最大で5kmほど離れた地点でもドローン操作が可能
◆アマチュア無線4級以上の免許が必要
よくメディアに取り上げられ、TV番組などでも使用されているドローンは2.4GHz帯となりますが、特殊な5.8GHz帯のドローン(主に海外製)を使うと今注目を集めている「FPVドローンレース」に参加する事ができます。
FPVドローンレースとは
まず、FPVとは「First Person View(一人称視点)」の略で、ドローンのカメラが捉えた映像を両目に装着したゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)に映し出し、自分が飛行しているような臨場感を味わえる飛行方法の事を言います。
そしてこのFPVを使用したドローンレース大会が日本だけでなく、世界中で開催されているのです。
下記の映像を見てもらえれば、その迫力が分かると思います。まるでSF映画のような世界観です。
このようなヘッドマウントディスプレイを用いたFPV飛行によるドローンレースを行う場合は、アマチュア無線4級以上を取得する事と、無線局を開局する必要があります。
アマチュア無線4級の取得方法
アマチュア無線4級の取得方法には2つの方法があります。
(1)講習会を受講した後の試験に合格する
(2)独学で試験を受けて合格する。
それでは、2つの方法について詳しく見ていきましょう。
(1)講習会を受講した後に行われる試験に合格する
・講習期間:2日間
・授業時間:(法規)6時間(無線工学)4時間
・受講料金:22,750円
下記の「日本アマチュア無線振興協会」からネットで申し込む事ができます。ちょっと高額ですが・・・、費用は除外視しても確実に免許を取得したい方には、この講習会参加が最も手っ取り早いでしょう。ただネックなのが2日間拘束される事ですね。
(2)独学で試験を受けて合格する
はっきり言って、この試験は難しいものではありません。過去問(予想問題)さえちゃんとやれば合格します。
定番でベストセラーといえばコレですね。
あと、丸暗記だけじゃなくてある程度基本も理解したいという方には下記テキストもオススメです。コミック形式で手軽に勉強できます。
この2冊だけ繰り返しやっておけば大丈夫でしょう。
必要なのは”無線”というものに興味を持つ事です。「とりあえず受かりたい」と一夜漬けで頭に叩き込むのは辛くなるだけなので辞めましょう(どの資格にも言えることですが)。勉強期間は1〜2週間もあれば充分です。
あと、具体的な勉強方法については下記の記事を参考にして下さい。
受験者数と合格率
受験者数は毎年3000〜4000人ほどで、合格率は70〜75%と非常に高いものです。国家資格の中では簡単な部類に入ると思います。
試験概要
◆出題数:法規12問+無線工学12問
◆合格ライン:法規、無線工学それぞれ8問以上正解
◆制限時間:1時間
◆出題方式:4択
満点を目指す必要はありません。6割以上(8問以上)取れれば合格できます。
免許の申請
試験の合否について、会場によっては即日公表されるところもあるようですが、大抵は2週間ほどしてから自宅に通知ハガキが来ます。ここから下記の書類を揃えて免許申請する必要があります。
【必要な書類】
◆無線従事者免許申請書
→総務省の電波利用ホームページからダウンロード可能
◆住民票の写し
◆証明写真(縦30mm×横24mm)
◆収入印紙:1,750円分
ちなみに、住民票コードが分かっていれば住民票は必要ありません。
免許証が発行されるまで、約2〜3週間ほどかかりますので気長に待ちましょう。
実際の免許証はこんな感じです。
私はかなり前に取得した為、ラミネートで保護してあるだけのものでしたが、最近は厚みのあるカードタイプになっているようです(羨ましい・・)。
無線局の開局
免許を取得した時点で、5.8GHz帯の電波を使用する資格を得ることができます。但し、これだけではダメで総務省に5.8GHz帯の中で日本で申請できる特定周波数「5.6GHz」を使用する申請をしなくてはなりません。下記ページからネット申請ができます。
→総務省 電波利用 電子申請・届出システムLite
このネット申請方法について、「DRONE革命軍」に詳しく記載されているので参考にして下さい。
この申請をする事で、「無線局免状」を手に入れる事ができます(約1週間後に自宅に郵送)。
但し、「無線局免状」が届いたらそれで終わりではなく、電波利用料金を支払う必要があります。総務省から後日(開局数日後)、「納入告知書」が送付されて来ます。アマチュア4級の場合は、300円ほどでたいした金額ではありません。
ドローンの種類
ドローンのメーカーとして、最も有名なのは「DJI」です。中国のメーカーですが、ドローン業界の中では世界的なリーディングカンパニーです。そして、そのDJIの製品の中でも人気が高いのは「Mavic-Proシリーズ」と「PHANTOM4-Proシリーズ」でしょう。
超安定した飛行ができるだけでなく、4K動画も撮れ映画のワンシーンのような空撮がいとも簡単にできてしまいます。また5.8GHzの飛行にも対応。どのような用途にも対応でき、2018年現在、間違いなくドローンの中の頂点に君臨するモデルです。ただ、その分値段も高価になってます。
10万円超えのモデルですが、実価格は日々変動するので正確な値段は商品リンクをクリックしてみて下さい。
そして、本格的にFPVドローンレースをするには、下記のようなゴーグルも必要になってきます。約5万円ほどです。
しかし、「こんな高いものは買えない。レースだけを楽しみたい」というような方にはこんなモデルもあります。これなら本体価格約2万円ほどで手に入ります。
ちなみに、本格的にレースで勝ちにいこうとする人は商品を改造したり、部品を別々で購入して自分で組み立てたりしているようです。まあ、極めて行けばそうなって行くのでしょうね。
そして、「とりあえず手軽に安いドローンを楽しみたい。空撮とかレースには使わない」という方にはこれがオススメ。何と5〜6千円くらいで手に入ります。当然、免許なんていりません。Amzonでも常に評価となっています。
驚愕なのは、その性能。この値段でこんな飛行ができてしまいます。世の中進化したものです。。。。
ドローンレースに出場する方法
国内には、ドローンレースを主催している3団体があります。「ホームページ」「ルール」「参加方法」「スケジュール」などをリンクさせていますので、ご確認願います。このルールの中に詳細な内容が記載されております。
これらのレースには大きく分けて「目視」と「FPV」に別れており、FPVに参加する場合はアマチュア無線4級以上が必要となります。もし興味のある団体があればコンタクトを取ってみて下さい。
【国内の主要団体】
◆JDRA (一般社団法人日本ドローンレース協会)
・ホームページ
・ルール、参加方法など
・大会スケジュール
◆Drone Impact Challenge実行委員会
・ホームページ
・ルール、参加方法など
・2017年度大会の様子
・大会スケジュール(随時HPで発表)
◆JDL(Japan Drone League)
・ホームページ
・ルール、参加方法など
・大会申込
ドローンの楽しみ方
ドローンには色々な楽しみ方があると思いますが、まずは手軽なものから始めて、興味が湧いてくれば空撮やレースなどに参加してみるのもいいでしょう。
冒頭にも書きましたが、ドローンに免許がいるのは5.8GHz帯を使う時だけなのですが、ステップアップして行く前段階としてアマチュア無線4級を取っておくのも損はないと思います。無線に関する知識も得る事ができるし、今後、FPVドローンレースが世界的なブームになっていくかもしれません。
10年前
今から約10年前の2007年〜2008年ごろ、新たなUFOが出現したと話題になった動画がありました。その名もドローン(笑)。まあ、CGだった訳ですが、今のドローン技術がもっと進んで行けば、こんなものが作れてしまうかもしれないですね。
私がこれまで取得してきた資格の一覧表は下記にまとめています。参考にして下さい。