目次
受験の動機&概要
ふたば亭プラスです。
最初に断っておきますが、私は電気関係については全くの素人です(仕事も全然関係のない別な業種)。
しかもアラフィフ・・・。
そんな私が電気に興味を持ち始めたのは、第二種電気工事士試験にチャレンジして免許取得できた事がきっかけ。
筆記試験だけでなく実技テストもあり、制限時間内に一つのユニットを組み上げるという練習は、工作好きの私にとって非常に楽しいものでした。
そして、この電気工事士の上位資格であり難易度も高い「電験三種」(第三種電気主任技術者試験)がどんなレベルのものなのか?
記念受験だけでもしてみようと思ったのです。
電気系資格の最高峰へのチャレンジ
ここで、電験三種の試験制度をご存じでない方のためにちょっと説明。
電験三種の試験は下記4科目で構成されています。
『理論』『機械』『電力』『法規』。
そして、全ての科目で約6割以上の正答率を得る必要があります。
但し、一発で全ての科目に合格する必要はなく、「科目合格制度」というシステムがあって、どれか1科目に合格すればその実績が2年間維持されるのです。
よって、3年以内に4科目に合格を目指すという計画を立てる事も可能。
そこで、まずは電験三種の中で最も基本的な『理論』1科目だけにターゲットを絞って受験してみる事にしました。
他の3科目『機械』『電力』『法規』は完全にスルー。一切勉強せず。
まさに1点集中。
そして、初年度に猛勉強した結果、何と『理論』に科目合格してしまったのです!
これは嬉しかったですね〜。
と同時に、電気の面白さと奥深さを知るきっかけにもなりました。
ここまで来たら他の科目もトライしてみようと、本腰を入れる事にしたのです。
2年目は『機械』のみに1点集中。
私の実力では一気に3科目を狙いにいくと共倒れになると思い、思い切って機械のみをターゲットに絞りました。
最難関の『機械』をクリアできれば、後は楽になると思ったのです。
そして、無事『機械』に合格!
残りの『電力』と『法規』については、『理論』と『機械』で培ったベースがあったので、比較的勉強は楽でした。
こうして、無事3年以内に電験三種の合格を勝ち取る事ができました!
3年計画で電験三種に合格!
これは3年間で使用した参考書と問題集たち。
そして、これはその期間中に勉強で使用したノート。
約50冊のノートを使用
我ながら良くやったと思います。
まさに血と汗の結晶です。
このブログ記事では、私が3年間の勉強で習得した勉強のノウハウや、おすすめの参考書&問題集を紹介していきます。
これから電験三種を目指す方は是非参考にして下さい。
電気素人でアラフィフの私でも合格できたのです。
「勉強する時間がない」なんて言い訳です。
「年齢の壁」なんてありません。
「この資格を取りたいんだ!」と決意したら前に突き進むのみです!
申し込み方法
【受験費用】
¥7,700(インターネット)
¥8,100(郵送)
【申請先】一般財団法人 電気技術者試験センター
受験費用は他の一般的な国家資格と同等レベルですが、科目合格制度を使用しても費用は変わりません。
要は初年度で3科目合格して、次年度は1科目のみになったとしても割引は一切なし。
4科目の関連性
冒頭でも説明したように、電験三種は4科目『理論』『機械』『電力』『法規』で成り立ってます。
そして、それぞれの科目は独立しているのではなく、密接に関連し合っているのです。
イメージとしてはこんな感じ。
まず、ベースとなるのが『理論』です。
大前提として『理論』を完璧にマスターする必要あり
ここを疎かにすると、他の科目の理解力に影響が出ます。
特に『機械』は訳が分からなくなってしまうでしょう。
逆にいうと、『理論』をみっちりやれば、他の科目はある程度さらっと読むだけでその原理を理解できるようになります。
合格率
トータル
合格率の低さは異常です。
平均8%
(過去11年間集計)
他の難関国家資格(税理士、行政書士、弁理士、社労士、etc)などと同等レベル・・・。
この合格率の低さが、電気系の最高峰資格と言われている所以なのでしょう。
但し、「科目合格制度」での科目合格率を見てみると、合格率は一気に上がります。
詳細データは下記にまとめました。
これをみると少しは希望が湧いてくると思います。
理論
機械
電力
法規
モチベーション維持の仕方
色々なネット情報で、
「数年かけて電験三種を取得しようとしてもモチベーションが持たない」という声があるのをよく見ます。
ただ、私個人的な意見を述べさせてもらうと、電気の勉強を面白い&楽しいと感じれば、モチベーションを保つ事など容易いものです。
電気の勉強は面白いという意識を持つ!
おそらく途中で挫折してしまう人は、何かの理由でイヤイヤ勉強しているか、会社から言われて仕方なく・・・、というような方が大半だと思います。
そのような苦行に長年耐えるのは確かに苦しいでしょう。
でも、ちょっと意識を変えてみればいいのです。
電験の出題範囲は確かに膨大ですが、それら一つ一つに先人の電気技術者たちのアイデア&ノウハウが詰め込まれているのです。
先人の電気技術者の知恵を学べる感動!
私は勉強を通して、
「なるほど。こういう仕組みになっているのか。」
「確かにこうすれば効率的だな。」
「こんな仕組み思いつくなんて天才的だ。」
など、感動する事が多かったですね。
普段、何気なく使っている電気がこのような仕組みで作り出されて供給されているのか!と目から鱗の連続でした。
特に感動したのは、『機械』でモーターの勉強をしていた時。
このモーターの仕組みを考えついたニコラ・テスラの天才ぶりを改めて再認識できたのです。
様々な種類のモーターの原理をイメージできるまで多少時間がかかりますが、それを理解できた時、とんでもない衝撃が待ち構えていますよ。
あと、興味を引いたのが『電力』での原子力発電の分野で、あのアインシュタインが提唱した有名な「E=mc^2」の公式が出てきた時。
核分裂反応によって、原子力発電がどれだけ膨大なエネルギーを得る事ができるのかという事を、火力発電所の燃料と比較して計算で導く事ができます。
ワクワクしながら楽しんで勉強するスタンス!
これを確立すれば、何年でも勉強を継続する事ができます。
もう一度言いますが、意識を変えればいいのです。
おすすめの参考書&問題集
次に、私が使用していた参考書と問題集を紹介していきます。
(1)TAC出版「みんなが欲しかったシリーズ」
やはりなんと言っても圧倒的に分かり易いのが、TAC出版の「みんなが欲しかったシリーズ」です。
電験三種のテキストは、少し大きめの本屋に行けば様々な種類が山のように並んでいますが、実際に自分で目を通し、更にネット上での評判を吟味しながら辿り着いたシリーズです。
各チャプターごとに重要なポイントに的を絞って「これでもか!」というくらい分かりやすい言葉とイメージ図で表現してくれていて、なんだか小学校や中学校の教科書を見ているような感じ。
カラーイラストも豊富です。
初心者でも読みやすい!
理解しやすい!
電気素人のアラフィフの私でさえすんなり理解できたのです。そして、楽しく勉強できました。
更に、この参考書の感心するところは、重要でない部分(試験にあまりでない部分)は勉強しなくていい、と明言してくれているのです。
その部分の解説も一応載ってはいますが、「捨てていいよ」というようなメッセージを随所に散りばめてくれてます。
直接は書いてませんよ(笑)。
私はニュアンスでそのように感じました。
重要ポイントが分かる!
捨てるポイントも分かる!
丁寧に説明してくれている分、単体でみると非常に分厚いのですが、実はこれ「教科書編」と「問題集編」とで2つに分けて使用できるのです。
もともとそのような作りになっています。
要は問題集を解いていて分かりづらい箇所があると、横に教科書を置いて並べて確認する事ができるのです。
また、ある程度学習が進んできて、教科書は見なくてもいいというレベルに達すると、問題集のみを持ち運んでスキマ時間に繰り返し学習する事もできます。
そして、更に特筆すべき点は、問題が難易度別にレベル分けされている事。
各問題の難易度が一目で分かる構成
A | 平易なもの |
B | 少し難しいもの |
C | 相当な計算・思考が求められるもの |
下記のような感じで、各問題の表題の前に明記してくれてます。
これは、勉強を進める上で非常に役立ちました。
例えば、まずは「A」と「B」だけ繰り返しやって、慣れてきたら「C」に着手するというようにしてもいいでしょう。
また、得意な分野は「A」は飛ばして、「B」と「C」だけを徹底的にやり込むというやり方も有りかもしれません。
(2)オーム社「電験三種 やさしく学ぶ理論」
これは、①「みんなが欲しかったシリーズ」をグッと簡略化したようなもの。
各セクション単位で簡潔にまとまっているのが特徴で、勉強するべきポイントが一目で分かるような構成になっています。
ちなみに私が持っているのは改定前の古いバージョン。
(表紙の絵が虎でした)
なおこのテキストの欠点として演習問題が圧倒的に少ない事が挙げられます。また、演習問題の解説も簡略的にざっくりと書かれているので、「なぜこうなるの?」と首をかしげる部分も多くありました。
正直、電気初学者の方がこれ1冊だけを主体に勉強を始めると、途中で断念するかもしれません。
①「みんなが欲しかったシリーズ」である程度基礎を固めて、②「やさしく学ぶシリーズ」でポイントを押さえていく、というような使い方をした方がいいでしょう。
ポイント把握の為に補足的に使用するような位置付け
当然、①だけを集中的にやって、②はやらないという選択肢もありだと思います。若しくは、辞書代わりに使うという方法もいいかもしれません。
(3)翔泳社「電験三種出るとこだけ!」
私は職場まで電車通勤をしているのですが、電車の中でもサッと取り出して勉強できるようなコンパクトな参考書も追加で購入しました。
サイズは、横12cm × 縦18cm × 厚:1.5cm。
持ち運びに便利!
上着のポケットにも入るくらい。
スキマ学習に最適
超重要項目のみをポイントを絞ってまとめてあり、更に過去問をベースとした頻出問題も掲載されています。
私は「みんなが欲しかったシリーズ」で理解した部分について、復習するという位置付けで活用しました。
ただ1点注意して欲しいのが、これ1冊のみで勉強するのは危険。
一から説明するようなコンセプトで作られておらず、あくまでも確認用として活用すべきもの。
この手のコンパクトサイズのテキストは、他にもたくさんあり、例えば不動弘幸先生の「電験三種公式用語集」なども有名です。
この2つをどちらを買うか、書店で並べて読んでみましたが、まあ似たような内容。
どれを選ぶかは、個人の好みでしょうね。
コンセプトは大差ありません。
(4)TAC出版「電験三種の10年過去問題集」
『理論』と『機械』は電気書院の過去問(通称:電話帳)を使っていたのですが、とうとうTACから「電験三種の10年過去問題集」が発売されました。
(2019年度〜)
電験三種過去問界への新規参入ですね。
テキストはTACをメインで揃えているので、思い切って購入してみた所、解説の丁寧さと情報量の多さに度肝を抜かれました。
電気書院の過去問でも充分過ぎるほどの完成度だったのですが、これはその上をいってます。
解答の解説がとてつもなく詳しく分かりやすい!!
とにかくイラストと図表が多く、視覚的にも容易に理解できるし、更に似た問題があると、同じような解説を端折らずに何度も繰り返してくれるのです。
自然と繰り返し効果が体感できます。
意識する事なく、頭にすんなりと入ってきて記憶に定着!
あと、構成として非常にありがたいのが、「問題編」と各科目ごとの「解答編」を分離できる事。
分離可能!
テキストと同じコンセプトですね。
全体の厚みは、50mmを超えますが、こんな感じで科目事に取り外せます。
これなら持ち運びに苦労しないし、電車の中でも読めてしまいます。
雑誌「新電気」
参考書以外に活用したのが、オーム社が発行している「新電気」。
お目当ては、付録の「電験三種合格ブック」と予想問題集。
超絶に役立つ!
『電験三種合格ブック』
毎年、新電気の5〜7月号あたりに付いてきます。
この合格ブックは試験に出やすいポイントが非常によくまとめられており、持ち運びにも便利なので、上記で紹介した翔泳社の「電験三種出るとこだけ!」と併せてスキマ学習に活用させてもらいました。
主に通勤電車の中で使用。
毎日使っているうちに、こんなにボロボロになってしまいました・・。
なお、『予想問題』も毎年掲載されており、電験試験開催前の月8月号に特集が組まれることが多い模様。
直前の総復習にも役立つと思いますよ。
電卓
これまで安物の電卓は持っていたのですが、今回電験三種を受験するのに際し、少し大きめでキータッチの良いものを購入しました。
様々な情報を収集した中で、電験用電卓として評判の良かったシャープの「EL-N942」。
実際に購入して使ってみると、確かに使いやすい!
キーボタンの感触が気持ちいい!
私はもともと手や指が大きい方なのですが、隣同士のキーボタンを同時押ししてしまうようなミスをほとんど抑える事ができ、すぐにブラインドタッチができるようになりました。
押し間違えが激減!
計算速度アップ!
電験の試験では、いかに電卓を素早く打てるかという事が合否を分けると言っても過言ではありません。
私は、古い電卓からこれに切り替えた事で、計算スピードが2割ほどアップしました。そして計算が早くなってくると、問題を解くのが楽しくなってきますよ。
まさに一石二鳥。
「さあ、やろう!」という勉強の原動力の要因になったアイテムの一つでもあります。
YouTube動画の利用
(1)電験合格先生
今やあまりにも有名になった電験三種対策用動画。
アカウント名
「電験合格」
無料とは思えない程の内容の濃さ。
そして、有料コンテンツでも充分通用する程のボリュームがあります。
圧倒的に分かりやすい神講義!先生のスキルが異常!
講師の先生は、おそらくどこかの高校(高専or工業高校?若しくは別機関からの非常勤講師?)で教鞭を取っている方なのでしょう。
その日の授業の内容をフルバージョンで動画を取って、YouTubeにアップしてくれているのです。
1本の動画が、60分〜90分あり。
多分、学校の生徒向けに動画をアップしていると思うのですが、パスワードをかける事もなく一般にも公開してくれています。
私のような素人の独学者にとっては神のような動画。実際に授業に参加しているような錯覚に陥ります。
そして何よりも素晴らしいのが、この先生の教鞭のスキル。
基本から応用にかけて、とてつもなく分かりやすく噛み砕いて説明してくれます。電気初心者でもすんなりと理解できるでしょう。
電験の公式は暗記するものではない。理解するもの。
毎回、この先生は口癖のように言われており、公式の一つ一つを「なぜそうなるのか?」懇切丁寧に教えてくれます。
お陰様で私は、多量にある電験の公式のうち、主要なものを1割ほど覚えるだけであらゆる問題に対応できるようになりました。
慣れてくると、頭の中で式変換できてくるのです。
これはかなりの強みになりましたね。
これから初めて電験を目指される方は、必ず見るべきです。
神講義を存分に楽しむ事ができるでしょう。
(2)日本エネルギー管理センター
電験合格先生の動画と並行して見ていたのが、エネルギー管理センターが毎年開催している電験三種講習会での講義動画。
本来は受講者用の動画だと思うのですが、何故かYouTubeで無料で見れてしまうのです。
YouTubeを立ち上げて、「エネルギー管理センター 電験三種講座」と入力すれば沢山出てきます。
一本の動画が約1時間。
それが各科目の初級&中級で、それぞれ6〜7本あるのでかなりのボリューム。
長時間なのですが、飽きる事なく見る事ができました。
何よりも講師の西山先生の知識量が半端なく、電力会社に務めていた頃の体験談も交えて面白おかしく講義を進めてくれるのです。
電験一種をお持ちの方なので電気に詳しいのは当然なのですが、初心者にも非常に分かりやすく丁寧に解説してくれてます。
電力設備の現場での実体験の話が秀悦!
生きた授業を体感できる!
電験合格先生が「学術的な授業」なのに対し、西山先生は「実践に即した授業」といった感じ。
私はこれを通勤時間にスマホで見てました。
(3)カフェジカちゃんねる
電験の試験は筆記のみで、実技はありません。
よって、電気の原理を理解しても、
「実際の設備の点検をどのようにするのか?」
「試験機をどのように使用するのか?」
という事を学ぶ事はできません。
実務経験のない電験合格者の中には、キュービクルさえ見た事がない方が大半だと思います。
私を含めて・・・。
そんな中、この「カフェジカちゃんねる」では動画を通して、電気設備の点検の仕方や試験の方法のイメージを掴む事ができるのです!
YouTubeを立ち上げて、「カフェジカちゃんねる」と入力すれば沢山出てきます。
私は電験の勉強の合間によく見ていました。
息抜きにもなるし、何よりどの動画も面白い!
コンセプトや構成がしっかりしているので、見ていて飽きないのです。
特に、主役のカフェジカ経営者兼(株)ミズノワ社長でもある水島さんのキャラが際立ってます。
教科書に載っていない実務を学べる!
電験の勉強が楽しくなると思いますよ。
ちなみに、このカフェジカには『電験アベンジャーズ』という電気のプロ集団がいて、各動画の技術サポートもしているようで、見ていて安心感があります。
あと、特筆すべきは、この『電験アベンジャーズ』は、令和2年度の電験二種&電験三種の解答速報をどの機関よりも早く公開されたのです!
しかも1問たりとも間違わず正確に・・・。
恐ろしいほどの天才集団。
水島社長は最高のスタッフに恵まれていると思います。
あと、カフェジカでは、電験三種&電験二種保有者の転職相談も行っているようなので(こちらが本業かな)、興味のある方は訪れてみてはどうでしょうか?
月ごとに様々なイベントもやっているようですよ。
カフェジカ(カフェ自家用電気)
過去問の勉強方法
まず、初めに一番重要な事を言っておきます。
電験三種は過去問と同じ問題は一切出題されません!!
電験は受験生がどこまで「電気の基本」を理解しているのかを試す試験なので、過去問を丸暗記して対応できるような構成にはなっていません。
よって、繰り返し解くのは2〜3回までとして、それ以降はアレンジしながら解いていく事をお勧めします。
以下は私が自分なりに実践した方法ですが、それなりの効果もあったので紹介していきますね
(1)文章問題は他バージョン検討
電験の文章問題でよく見る穴埋め式バージョン。
これを解いた後、そこで終わるのではなく、自分が問題作成者の立場になって「次にどのような問題を作るべきか」という事を考えてみるのです。
応用力を養える
一例を挙げるとこんな感じ。
<ベース問題>
①「解列」とは、「 」から切り離すことをいう。
②「逆潮流」とは、分散型電源設置者の構内から、一般電気事業者が運用する「 」側へ向かう「 」の流れをいう。
↓
<自ら作った問題>
①「 」とは、電力系統から切り離すことをいう。
②「 」とは、分散型電源設置者の構内から、「 」が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れをいう。
(2)計算問題の条件を変更
上記(1)で紹介した別問題を考えるというスタンスの計算問題バーション。
これも電線路などに記載された数値や条件などをわざと変えて計算してみるのです。
計算力を養える
一例を挙げるとこんな感じ。
<例1>
百分率インピーダンス(%)を求める問題で、与えられている基準容量を変えて計算してみる。<例2>
絶縁耐力試験の問題で、補償リアクトルに流す事ができる電流(電流容量)を変えて計算してみる。
(3)重大電気事故をイメージ
どのような場面でもそうですが、自らの身に起こった災難は忘れようとしても忘れられず、ずっと記憶に残ってしまいます。
それを逆手に取り、電気災害が起こった状況を空想してみるのです。
特に法規では有効かもしれません。
記憶に定着する
一例を挙げるとこんな感じ。
<一例>
自分が監督している電力設備で事故が起こり、建物が1/3ほど燃え、怪我を負った部下が病院に行き入院はしなかったものの包帯を巻いて戻ってきた。この時、事故報告をする必要があるのか判断する場面を想像してみる。
(4)講師になったつもりで解説
百均でもいいので小さな白板を買って、目の前に生徒がいるような状態をイメージして、自分が解いた問題を説明するのです。
エアー塾講師のような感じ。
ポイントが自分で把握できるようになる
人にものを教えるためには、分かりやすい言葉で説明しなければなりません。それにはどこまで自分で要点を理解しているかが焦点となります。妥協は許されません。
そうする事で、自分自身の理解度は2〜3倍となり頭に定着します(実体験)。
ただ、家族や妻子が居る人は気恥ずかしさもあるかもしれません。皆が寝静まった頃にやるか、朝早く起きてやるように工夫する事をお勧めします。
それも難しいようであれば、例えば家庭教師役を演じて、隣に生徒が座っている状態をイメージするのも一つの手です。
百均の白板は小さくてイマイチ・・、という方は、こんなのはどうでしょう。
スタンド付きで、¥1,000〜¥3,000くらいで買えるものもありますよ。
もう少し大きいものが欲しいという方は、こんなものもあります。
サイズは、900mm×600mm。
『ナカバヤシ WBA-U9060 薄型アルミホワイトボード』。
部屋に設置するスペースがあれば、思い存分有効活用できます。
このようなホワイトボードを利用した勉強法について、更に詳しく下記の記事にまとめましたので、参考にして下さい。
オーム社主催 電験三種突破研究会
「電験三種に合格する!!」という同じ目標を持っている同士達と触れ合えるセミナーに出席するのも、いい刺激になります。
オススメは、毎年5〜6月ごろにオーム社が主催している「電験三種試験突破研究会」。
場所は東京、大阪、石川の3拠点。
重要ポイント&勉強の方向性を再確認できる
しかも入場無料&予約不要。
さすがオーム社。太っ腹です。
ちなみに私は、『機械』受験の年(2019年)のみ参加。
ただ、翌年の2020年度はコロナの影響で残念ながら開催が中止となりました。
2021年以降〜に開催されるかどうかは分かりませんが、興味のある方は下記のリンクを確認して下さい。
【開催日程】
オーム社:試験突破研究会のご案内
ここでは、大阪会場の「中央電気倶楽部」で開催された研究会に出席した時の様子を紹介します。
何だかレトロでオシャレな雰囲気の建物。
電気とは似つかわないたたずまい。
最初、ここが会場だと分からず通り過ぎてしまいました(笑)。
会場では、こんなものも貰いました。
電験で超重要な公式が、非常に良くまとめられています。
著作権の関係で中を見せる事はできませんが、勉強している時に手元にあると非常に重宝します。
これを無料で配布するオーム社さんの心意気に感動しました。
そして、いざ会場入り。
100名ほど入る会場は超満員状態。
年齢層は非常に幅広く、高校生のような方から白髪のお年寄りまでいました。そして、数人女性の姿も。
会場の雰囲気は、プライバシーの問題もあり写真は撮りませんでしたが、皆さんの熱気が凄かった。。。
会場に漂う熱気!
他の受験生との一体感を味わえる!
9時20分〜16時40分の長丁場だったのですが、寝落ちしている人は誰一人おらず、講師の方々の説明を食い入るように(身を乗り出すような感じで)聴講されていました。
電験受験生は、この雰囲気を味合うだけでもいい刺激になると思います。
講義プログラムはこんな感じ。
9:20〜9:30 | オーム社 挨拶 |
9:30〜11:10 | 理論・計測 |
11:10〜11:20 | 休憩 |
11:20〜12:40 | 電力 |
12:40〜13:40 | 昼食・受験相談 |
13:40〜15:20 | 機械 |
15:20〜15:30 | 休憩 |
15:30〜16:40 | 法規 |
テキストは上でも紹介した「電験三種合格ブック」。
講師の先生方は電験業界では有名な方ばかり。
講義の内容も素晴らしいものでした。
特に「機械」講義は秀悦。
合格する為の勉強法のみにフォーカス!
ざっくりまとめると、こんな感じの講義内容。
(著作権もあり詳細は書けません)
①過去の出題傾向
②今年の出題予測
③捨てるべき分野の見極め
④頻出問題の解き方
⑤試験時に注意すべき事
また、先生は講義の中でこのような事も言っておられました。
「全部理解する必要なんてない。試験では6割取れれば合格なんだからポイントだけおさえればいい。要はテクニック。では、あとの4割はいつ勉強するのかって?免状が来てからでいいんだ。」
ごもっともなご意見。
勉強の方針と、大きなやる気も頂きました!
各科目ごとの対策方法
各科目ごとの勉強法&合格体験記の詳細については、下記ブログ記事にまとめています。
参考にして下さい。
理論
機械
電力
法規
受験遍歴
これまでの受験遍歴をまとめました。
初年度は冒頭でも説明したように『理論』のみに1点集中。
徹底的に基礎固めをしました。
今振り返ってみると、これが良かったのかもしれません。
もともと電気が得意な方は、一気に4科目合格を目指した方がいいかもしれませんが、私のような電気素人は3年計画でじっくりと勉強していくのも一つの手です。
先に説明したようにモチベーションさえ保ち続ければ、何年でも勉強し続ける事ができます。
理論 | 機械 | 電力 | 法規 | |
平成30年 | ○ | – | – | – |
令和元年 | – | ○ | – | – |
令和2年 | – | – | ○ | ○ |
最終年度に『電力』『法規』を残したのも、戦略がありました。
この2つは出題範囲が似通ったところがあり、非常に相性がいいのです。
『法規』で出てくる計算問題は『電力』を理解していれば、その大半を簡単に解く事ができます。
そして、3年かけて取得した点数は下記の通り。
理論(平成30年) | 合格 | 80点 |
機械(令和元年) | 合格 | 85点 |
電力(令和2年) | 合格 | 80点 |
法規(令和2年) | 合格 | 62点 |
個人的に満足のいく結果となりました。
ネットでの合否確認
ネットでの合格発表まで、自己採点では合格を確信していたのですが、それでも一抹の不安はありました。
「もしマーキングミスしていたらどうしよう・・」と。
約1ヶ月半。
悶々とする日々を過ごしていましたね。
震える手で自分の番号を入力して、上記表示を確認できた時、ようやく肩の荷がおりました。
無事合格!
会社で確認したのですが、安堵感で崩れ落ちそうになったのを覚えています。
電験二種の結果(記念受験)
そして実は、3年目の電験三種の受験時に、記念受験として『電験二種』にもトライしてました。
・9月12日:電験二種(大阪大学)
・9月13日:電験三種(大阪工業大学)
と連チャンでしかも試験会場も違うというハードスケジュール。
ただ、あくまでも記念という事で、二種用の勉強はゼロ。
三種の勉強のみでどれだけ得点できるか試してみたかったのです。
その時の結果がこちら。
<二種 記念受験結果>
理論 | 不合格 | 26/90点 | 正答率:29% |
機械 | 不合格 | 42/90点 | 正答率:47% |
電力 | 不合格 | 41/90点 | 正答率:46% |
法規 | 合格 | 66/90点 | 正答率:73% |
まあ、予想通り惨敗でしたが・・・、なんと『法規』のみ合格していました。
ちょっと驚きましたね・・。
しかも、三種の法規よりも点数が上という逆転現象。
試験自体も、二種の方が手応えがあったのです。
少なくとも『法規』については三種で徹底的に基礎固めしておけば、特に二種用の勉強は必要ないのでは?と思われます。
<電験二種結果>
電験二種
法規科目合格!
今後、電験二種もターゲットにしていくか・・?
ゆっくり考えていこうと思います。
合格通知
そして、ネットでの合格発表から3日後、正式な合格通知書が届きました。
こんな感じで封筒に書類一式が入ってました。
これを見て「ついに合格できたんだ!」という喜びが込み上げてきましたね。
そして、免状取得のために経済産業大臣に申請書を郵送するのです。
費用は¥2,350。
そして約2ヶ月後。
免状が到着しました!
あと、この免状を入れるケースも購入しました。
免状の質感が向上して、なかなかいい感じ。
二つ折りなので立てる事もできるし、パタンと閉じて保管しておけば汚れる心配もありません。
この免状ケースについては、下記のブログ記事に詳細を記載しています。
なお、私がこれまで取得してきた資格の一覧表を下記にまとめています。
それぞれの資格の勉強法もリンクで見れるようにしているので、目指している資格がある場合はぜひ参考にして下さい。