設備系資格(ビルメン系資格)とは
ふたば亭プラスです。
設備系資格(通称:ビルメン系資格)とはオフィスビルや商業施設などの電気設備・給排水設備・空調設備の維持管理を行う業務であり、この業界に就職するためには、様々な設備技術系の資格を保有していると有利になります。
この資格には「ビルメン4点セット」と「ビルメン三種の神器」と言われているものがあり、それぞれ下記の資格を指します。
【ビルメン4点セット】
◆第二種電気工事士
◆2級ボイラー技士
◆危険物取扱者乙種4類
◆第三種冷凍機械責任者
【ビルメン三種の神器】
◆第三種電気主任技術者(電験3種)
◆エネルギー管理士
◆ビル管理士(建築物環境衛生管理主任技術者)
また、最近はこれ以外に「消防設備士」の資格も注目されてきています。
【消防設備士】
◆消防設備士甲種
◆消防設備士乙種
それぞれの位置付けは下記の通り。
では実際に、これらの資格について求人数がどれくらいあるのか、「ハローワーク」と「リクナビNEXT」で調べてみた結果を報告します。
ハローワークの求人数調査
ハローワークのインターネットサービスに登録すると、フリーワードを入れるだけでリアルタイムでそれに関連した全国の求人数を調べる事ができます。
また、併せて各資格の上位レベル&総括名称でも調査してみました。
(調査年度:2019年)
【ビルメン4点セット】
◆第二種電気工事士:1712件
(参考)
・電気工事士:9764件
・第一種電気工事士:318件
◆2級ボイラー技士:131件
(参考)
・ ボイラー技士:698件
・1級ボイラー技士:21件
・特級ボイラー技士:4件
◆危険物取扱者乙種4類:1220件
(参考)
・危険物取扱者:1685件
・危険物取扱者乙種:1583件
・危険物取扱者甲種:79件
◆第三種冷凍機械責任者:35件
(参考)
・冷凍機械責任者:111件
・第二種冷凍機械責任者:24件
・第一種冷凍機械責任者:46件
【ビルメン三種の神器】
◆電験3種:151件
(参考)
・電気主任技術者:1301件
・電験2種:28件
・電験1種:3件
◆エネルギー管理士:108件
◆ビル管理士:27件
【消防設備士】
◆消防設備士:880件
(参考)
・消防設備士甲種:162件
・消防設備士乙種:130件
リクナビNEXTの求人数調査
私は「リクナビNEXT」、「DODA」、「マイナビ」、「ビズリーチ」などの転職サービスにも登録していますが、その中で最も求人情報数が多い「リクナビNEXT」でも調査を行ってみました。
検索条件は、上記ハローワークと同様です。
(調査年度:2019年)
【ビルメン4点セット】
◆第二種電気工事士:289件
(参考)
・電気工事士:553件
・第一種電気工事士:37件
◆2級ボイラー技士:2件
(参考)
・ ボイラー技士:41件
・1級ボイラー技士:1件
・特級ボイラー技士:0件
◆危険物取扱者乙種4類:20件
(参考)
・危険物取扱者乙種:29件
・危険物取扱者甲種:7件
◆第三種冷凍機械責任者:7件
(参考)
・冷凍機械責任者:11件
・第二種冷凍機械責任者:8件
・第一種冷凍機械責任者:11件
【ビルメン三種の神器】
◆電験3種:43件
(参考)
・電気主任技術者:149件
・電験2種:16件
・電験1種:9件
◆エネルギー管理士:41件
◆ビル管理士:8件
【消防設備士】
◆消防設備士:60件
(参考)
・消防設備士甲種:13件
・消防設備士乙種:9件
調査結果から分かった事
今回の調査でビルメン4点セットの求人数の多さは下記の順位になっている事が分かりました。
【ビルメン4点セットの求人数】
(ハローワーク)
◆二種電工 >危乙4 >2級ボイラー >三冷
(リクナビ)
◆二種電工 >危乙4 >三冷>2級ボイラー
やはり「第二種電気工事士」の求人が圧倒的に多い。他の3つの資格と比べても群を抜いてます。ある程度予想していたとはいえ、ここまでとは思いませんでした。
一方、「2級ボイラー」と「三種冷凍」は資格が不要な設備が増えてきたこともあり求人数は少ない。
ただ、この2つの資格は熱力学系の基礎知識を保有している事の証明にもなるものであり、持っていて損はないでしょう。アピールポイントにもなるし面接官の印象も良くなると思われます。
そして三種の神器の求人数は下記の通り。
【三種の神器の求人数】
(ハローワーク)
◆電験3種 ≧ エネ管 > ビル管理士
(リクナビ)
◆電験3種 ≧ エネ管 > ビル管理士
「電験3種」が強い。三種の神器でトップの人気を誇るだけのことはあります。この資格を持っているだけで給与面でも大きくアップ。求人情報を見た限りでは、ビルメン4点セットより2〜3割基本給が上でした。
そして、意外にも求人数が多かったのが「消防設備士」です。
ちなみにこの資格は甲種と乙種に分かれていますが、求人票では2つの区分をしているところは少なく、単に「消防設備士」優遇となっている会社が多数を占めました。
甲種募集と明確に記載しているのは消防設備関連の業種であり、ビルメン関連は乙種でも一定の評価はしてもらえるように思えます。
なお、「ビルメン4点セット」、「三種の神器」、「消防設備士」の全てを総括した求人数は下記のようになります。
【設備技術系資格求人数(2019年度)】
(ハローワークベース)
1位:第二種電気工事士 (1712件)
2位:危険物乙4 (1220件)
3位:消防設備士 (880件)
4位:電験三種 (151件)
5位:2級ボイラー技士 (131件)
6位:エネルギー管理士 (108件)
7位:第三種冷凍機械 (35件)
8位:ビル管理士 (27件)
【設備技術系資格求人数(2019年度)】
(リクナビNEXTベース)
1位:第二種電気工事士 (289件)
2位:消防設備士 (60件)
3位:電験三種 (43件)
4位:エネルギー管理士 (41件)
5位:危険物乙4 (20件)
6位:ビル管理士 (8件)
7位:2級ボイラー技士 (2件)
8位:第三種冷凍機械 (1件)
まあ、「第二種電気工事士」の1位で納得ですが、意外なのは「消防設備士」です。これほど需要が高いとは思いませんでした。
消防設備士の需要が高い!
ネット情報ではたまに「ビルメンに消防設備士の資格は必要ない」としているブログを見ることもありますが、これらは大抵記載された時期が古く、最近では評価が上がってきているように思えます。
これからビルメンを目指して資格を取ろうとしている方は「消防設備士」の優先順位を上げた方が就職(or転職)の早道になるでしょう。
なお、私は「ビルメン4点セット」と「消防設備士」の免許は既に取得しております。(資格マニアとして自己啓発取得)
それぞれの記事にて取得までの手順&勉強方法などを記載しているので参考にして下さい。
また、私がこれまで取得してきた国家資格&検定の一覧表は下記にまとめています。
各資格の勉強方法やノウハウ、おすすめテキスト&参考書、難易度などの情報もリンクさせていますので、同じ資格を目指している方は覗いてみて下さい。
いつか「三種の神器」も取得したいのですが・・・、他に狙っている資格も多数あるため、じっくりと計画を練っていこうと思います。