第二種冷凍機械の講習&検定試験は甘くない!全国の合格率について

検定試験について

ふたば亭プラスです。

前回の記事「第二種冷凍機械〜講習&検定試験〜」にて講習と検定試験の様子を紹介しました。まずはこちらを見て下さい。

色々とあった中で、私は何とか合格していましたが、「保安管理技術」の方は正直危ないところでした・・。多分ギリギリの点数だったと思います。

もともと、3種を講習なしの「全科目」で受験&合格して免許を手にした後、2種は講習を受けて気楽に取ろうかなと考えていたのですが、その考えが甘かった事を痛感しました。

これって、全国の合格率は一体どれくらいなんだ?

調べようと思ったのですが、高圧ガス保安協会はデータを一切開示していません

そこで、合格者番号リストから受験者数を想定して、自分なりにまとめてみました。受験番号は、ほぼ連番で並んでいるので、比較的真実に近いデータになっていると思います。


全国の合格率

今回(2018年3月)の検定試験は、全国の14都道府県で実施されました。

ただ、沖縄は受験者数が少なかったので集計対象から除外して13都道府県でまとめてみたのが下記の表とグラフです。

各都道府県ごとに受験者数および合格率は異なりますが、トータルすると、受験者数883人で合格率は48.9%。

【2種冷凍 検定試験合格率】
推定:48.9%(883人)

思ったより合格率が低いと感じないでしょうか?

講習の参加費用18,400円とテキスト代5,500円を合わせてかかった費用は約24,000円(2018年3月時点)。ここまで高い費用を支払って、2人に1人が落ちているのです・・・。


合格率が低い要因

では、何故こんなに合格率が低いのか、その要因を自分なりに分析してみました。

初学者がいきなり2種冷凍から受験

大半の方は、講習に参加すれば講師から検定試験の内容をある程度教えてもらえるものだと思っていないでしょうか?そして、3種からではなくいきなり2種の講習から受けようと計画している人も多いと思います。実際に講習会場でそのような会話をしているグループを何人か見かけました。

しかし初日に講師の方が言われたのが「私たち講師陣は試験問題の作成に携わっていないので、どんな問題が出るか知りません。ただ、ポイントとなるところだけお伝えします」との事。要は、テキストの重要と思われる箇所にマーカーを引いた後、それに関連する内容&原理はちゃんと理解しておかないといけません。

私は3種免許を取る際に冷熱サイクルについてある程度勉強していたので、2種講習の内容も漠然と理解はできました。ただ、全くの初学者があの内容を講習だけで理解できるとは思えません。段階を踏んで3種から受けるか、講習だけでなくちゃんと予習&復習をしておく必要があります。

会場による講師のレベルの差

上記の都道府県別の合格率データを見てもらっても分かるように、地域によって合格率にかなりの差があります。これは、講師の方がどこまでポイントを絞った講義をしてくれるかによります。講義の内容にマニュアルがある訳ではありません。なかには試験には関係のない技術要素についても熱く語り出す講師もいるでしょう。ネット情報を見ても、当たり講師、外れ講師というのが毎年どこの会場にもいるようです。こうなると運、不運の問題も絡んできます。私が参加した会場でも、午前の講師の授業は非常に分かり易かったのですが、午後の講師はいまいちでした。ここは、高圧ガス保安協会に何とか改善して欲しいものです。

マーカー部分だけの勉強

講師が言ったマーカー部分だけを丸暗記しただけでは検定試験に対処できません。検定試験も本試験と同様に選択問題形式ですが、マーカー部分だけだと正しい箇所は分かっても、間違っている選択肢は何なのかという判断がとっさにできないのです。要は解答に迷った時、消去法が通じないという事態になります。少なくとも、マーカーを引いた前後のページは一通り読んでおいた方がいいでしょう。

国家試験より簡単だという妄想

実は私もこのように感じていました。よって、この検定試験と並行して消防設備士の試験も同タイミングで受けるという日程を組んでしまったのです。しかし、検定試験の難易度は国家資格と同等レベルです。なめてかかってはいけません。一般的な技術系国家試験と同程度の準備はしないといけないでしょう。


科目免除の国家試験

検定試験に合格しても、毎年11月に実施される国家試験は科目免除で受験しないといけません。要は「学識」と「保安管理技術」を除いた「法令」のみを受験。

ただ、この科目免除の合格率は85%〜95%と高い(魔の26年度は除く)。

ちなみに、こんな感じになっています。

まあ、「法令」だけ勉強すればいいので合格率は高いのですが、実際には検定試験の合格率48.9%をかけ合わせたものが本来の合格率となります。

とすると、検定合格率48.9% × 科目免除合格率85〜95%=42〜46%。

【本来の合格率】
42〜46%


これから講習&検定試験を受ける方へ

講習さえ受ければ、勉強しなくても受かるという甘い考えは捨てたほうがいい。高圧ガス保安協会は慈善団体ではありません。とことん厳しい。

もし、軽い気持ちで参加して勉強しないまま試験に落ちてしまったら講習費用の約24,000円だけでなく、4日間(講習3日+検定試験1日)が全て無駄になってしまいます。全科目の国家試験に落ちるよりダメージは大きいでしょう。

ただ、熱力学の初学者の方がどうしても冷凍2種講習を受ける必要がある場合は、講習用のテキストだけでなく、下記テキスト「トコトンわかりやすい!第3種冷凍機械責任者(ナツメ社)」も購入する事をおすすめします。3種向けの本ですが、難解な冷熱サイクルについて膨大な写真やイラストと共に非常に詳しく記載されています。

2種講習の「上級冷凍受験テキスト」と併せて辞書代わりに使えば、より理解は深まるでしょう。


私がこれまで取得してきた資格の一覧表は下記にまとめています。

勉強方法やノウハウ、おすすめテキスト&問題集など紹介しているので、似た資格を目指している方は参考にして下さい。